二十年の時を経て仇を討つ事が出来るのか?東映京都「曽我兄弟・富士の夜襲」東千代之介・中村錦之助 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日の17時半に勤務を終え、土曜日20時の始業時迄の休み中ですが、ここ数日間は暴風雪に見舞われ日中も気温が上がらない予報となっています。時折日が差すのが救いか…

 

 

 

さて本日は此方の作品を…時代劇専門ch「銀幕の時代劇・黄金の十年」の枠内で放映された作品です(東映chでの放映実績も有ります)。

 

 

「曽我兄弟・富士の夜襲」昭和31年10月17日公開・五都宮章人原案・八尋不二脚本・佐々木康監督・東映京都制作。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で有料動画配信も行われてはいませんが、時代劇専門chに於いて本日以降、2/17(日)19:00より放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

​​​​​​​※時代劇専門chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

この作品の題材となった「曽我兄弟の仇討ち」に関しては御存じの方々も多いでしょうから、物語の展開自体については割愛します。

 

 

しかし「あくまでも娯楽時代劇」ですので「忠実ではない場面」も勿論存在…例えば中盤に於いて「母親役である花柳小菊が直近に居住していた兄の東千代之介には晴着を手渡しながらも、弟で箱根での修業を抜け出して来た中村錦之助(後の萬屋錦之介)には「母親の言葉に従えぬ者には与えられない」と言い放つ」(但し直後に第三者を通じて手渡されています)等々。

 

 

これは「実話を基にした戯曲・物語が無数に存在する事」そして「曽我兄弟の仇討ち」に関しては作者不詳で数多くの物語の存在が確認されている事実から考えると(最もよく取り上げられる「真名本曽我物語」では、上記の場面については「かつて世話になった別当から引き出物を与えられた」となっている模様です)「幾つかの物語を組み合わせて原案・脚本が作られたか、物語の大きな山の一つとして新たに創作されたか」の何方かであると思います。

 

 

俺は元々歴史が苦手な上に、殆ど興味が沸かなかった時期が非常に長かった事も有り、皆様以上に知識が乏しい上に疎いのですが「映像作品が好き」と云う事が幸いであったのか「それ等の作品の鑑賞を切っ掛けに興味が沸き、二度目以降の鑑賞では片手にスマートフォン(携帯電話)や関連書籍を持ち、途中で観賞を止めてでもその場で調べる」と云う事を繰り返している内に好きになった「変わり者」です。

 

 

そして、前職の上司で今でも付き合いが続いている方が教えて下さった「歴史や偉人は日常生活に於いて必要な物事や考え方を色々と教えてくれる人生の教科書」との一言の重さをより強く感じ取る事が出来ました。

 

 

ですから「歴史を基にして制作された娯楽時代劇」に対して「忠実でなければいけない」等々とのご意見を持たれている方々も多いとは思いますが「事実に食指を動かす切欠となる」「自身の日常生活に生かせる物事が豊富」と云う点から「この類の作品の存在意義と価値は非常に大きい」と考えます。

 

 

 

 

 

 

当作品は「人間として、兄弟として、親子として、恋人として、親代わりとして」等々「様々な形での人間の愛」が深く描かれている事が見所。

 

 

先述した場面に於ける「自身の心情とは相反する言葉を放つ花柳さん」の他にも「職務遂行とは云え幼い兄弟を晒し首にしなければならない事に対する葛藤から来た苦悩の表情が、取止めの命と共に一転して安堵の表情に変わる大川橋蔵」「兄弟の仇である月形龍之介の側に付きながらも兄弟の心情を理解し、仇討ちの完遂に手を貸す大友柳太郎(但し「驚愕の展開」も存在)」「心情を理解し、朝廷内部の粛清を約束しながらも「裁きに私情や特例は認められない」と法令を遵守し、実子に「世の中の厳しさ」を教える片岡千恵蔵」等々「考えさせられる展開」が随所に散りばめられています。

 

 

 

他の出演者は、高千穂ひづる・北大路欣也・伏見扇太郎・片岡栄次郎・原健策・中村時蔵・堀正夫・小田部通磨・国一太郎・矢奈木邦二郎・岡島艶子等々…そして「幼少期の千代様・錦之助御大」を演じられるのは、千恵蔵御大の長男・植木基晴と長女・植木千恵です(植木義晴・現・日本航空代表取締役会長の兄及び姉にも当たります)。​​​​​​​