金子信雄・名和宏の「度助平親子」が牛耳る学園とは?東映京都「恐怖女子高校・女暴力教室」杉本美樹 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

今日も朝から晴天、そして真夏の暑さ…買い物を済ませ、何処にも行かぬ必要の無い状態にし、既に冷えたビールを一本飲んでしまいました…

 

 

真夏の炎天下に飲む、昼間のキンキンに冷えたビールはたまらないです!正に「活力剤」!

 

 

 

さて、本日紹介するシリーズ作品(全四作品)は平成24年に記事にした事が有るのですが、今月より東映ch「ミッドナイトシアター」の枠内に於いて大凡六年ぶりの放映が開始される為(平成30年8月分迄は決定済み。東映chの流れから、9月以降も引き続き放映するものと思います)新規の記事として書き直します。

 

 

 

東映の鈴木則文監督が「抑揚の無いぶっきらぼうな棒読みエロキューションが個性かつ「無口・無愛想・戦闘性」こそが最大の魅力」と本人に伝え「芝居じみた事を遣らせなかった」と言われている杉本美樹

 

 

 

 

 

 

「台詞回しが決して起用とは言えなかった事を逆手に取り、命の遣り取りにもなり兼ねない博徒の口上を一言ずつ確かめる様に放つ姿に見せる事に成功した藤純子演ずる緋牡丹のお竜」とも共通する話です。

 

 

 

「温泉みみず芸者」で同時デビューを果たした池玲子の「陽の魅力」に最初は押されてしまったものの、美樹様の「影の魅力」は「明らかな対比」を見せ「貴方は玲子派?美樹派?」と云う記事が男性誌に掲載される位の話題となり、更に「玲子姐御が歌手転向宣言で女優活動を一時停止した影響(これは玲子姐御が「東映専属」ではなく「東映の天尾完次統括に身柄を預ける形」となっていた為に行使が出来た模様です)」も追い風となり、東映ピンキーバイオレンス路線の主軸を担いました。

 

 

因みに俺は「杉本美樹の方が圧倒的に好き」です!(初めは池玲子でしたが、作品を観重ねて行く内に完全に杉本美樹に…勿論現在に於いても玲子姐御も好きですよ)

 

 

後に玲子姐御が「詫び」を入れ、東映に復帰しましたが「美樹様と肩を並べたものの、追い抜く事は出来なかった」と俺は思っています。

 

 

 

監督陣の話を書籍等々で読むと、関本郁夫監督は「自分で自分の美しさを「あたし綺麗?」と周囲に確認し「あゝ、綺麗だよ」と返答をさせないと気が済まぬ面が有ったものの、脚本執筆中等々に差し入れをしてくれた玲子姐御をどうしても贔屓したくなる」と云う意味合いの事を仰られていましたが、ソクブン監督は「周囲の評価は「使うなら玲子姐御より美樹様」となっていた」皆川隆之監督は「スケバンが似合っていたのは美樹様の方。何処にも馴染まない一匹狼の雰囲気が有りシャープだった。でも、話していると面白かった」中島貞夫監督は「玲子姐御は余り好きではなかったが、美樹様は「鉄砲玉の美学」で一緒に仕事をして「いい子」と感じた」と…

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、御逝去の前年に杉作J太郎先生との対談に於いて渡瀬恒彦が「今現在、美樹様が再評価されているのは理解出来る。初めは玲子姐御に先行されていたけれども「遣ってやる!」と対抗心を燃やして常に努力をしていた」とも話されていました。

 

 

しかし素顔は「質素で倹約家。女優稼業で手に入れた金は貯金をしていたそうだし…女優より主婦の方が合っている」と、女優時代を知る方はお話をされています。

 

 

「温泉スッポン芸者」「暴走パニック大激突」「祭りの季節」を観ていると「子役への接し方に自然と思われる振る舞い」が見えますので、前述した「主婦の方が合っている」と云うのは全く持って理解出来ます。

 

 

 

その美樹様が女子高校生に扮し「あたしは強姦で女になった…たかが(処女)膜が破れただけじゃないか!だったら今度はあたしが膜を破る方になって遣る!」と「賢き妻となり、愛しき母となろう」と云う校風を標語としながらも、実態は「暴力・売春等々何でも有り!」の神戸・聖光学園と云う「学園と云う名の動物園」舞台に描かれる「東映ピンキーバイオレンス路線の代表シリーズ」の第一弾です。

 

 

 

「恐怖女子高校・女暴力教室」(「恐怖女子高校シリーズ」第一弾)昭和47年9月29日公開・掛札昌裕/関本郁夫/鈴木則文の共同脚本・鈴木則文監督・東映京都制作。

 

 

DVD化作品ですが有料動画配信は有りません。

 

 

先述の通り、今月の東映ch「ミッドナイトシアター」の枠内で放映の一作品として、7/4(水)25:30~27:00・7/16(月)26:00~27:30の二回放映されます(HD放映)

 

 

 

 

 

 

 

しかしまぁ…この当時の東映の「宣伝媒体の構図・惹句」が本当に上手い!

 

 

「観たい!行きたい!」と思わせる魅力に溢れていますが、当時の社会情勢等々を考えると「作品の魅力を力強く前面に出し、発揮出来ないと周囲の熱量等々に押されて完全に埋もれてしまい「道端に貼られているだけの無機質な紙」としか思われない時代だった事も有るのかなぁ」と考えます。

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

安藤昇組長が主演を務められた「やくざと抗争」(安藤昇原作・石松愛弘/佐藤純彌の共同脚本・佐藤純彌監督・東映東京制作。VHS/DVD化作品でDMM.com/TSUTAYA TV/Netflix/ビデオマーケット/GYAO!ストア/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています)の併映作品です。

 

 

 


 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から
 

 

 

●東映公式・YouTube予告動画

 

 

 

 

 

 

「女暴力教室」は、美樹様が率いる「スケバン軍団」と、学園長の妾の娘である衣麻遼子が率いる「学園の後ろ盾を持ち、生徒を使った売春組織をも指揮するスケバン軍団」の衝突に、転入して来た「元・スケバンだが今では更生し姿は正に優等生…しかしピアノで「皆殺しの歌」の旋律を弾く姿に「戦慄の予感」を抱かせる一匹狼・玲子姐御」が絡んで行く物語。

 

 

「玲子姐御の生い立ちと転入目的」が明らかになった時、勢力図が一気に変わる時が見所!

 

 

 

因みに「学園長」は金子信雄!その妾は三原葉子!

 

 

更に「ネコさんの長男」で学園理事として「女子高生との酒池肉林に塗れ「やさぐれの優等生」である三浦夏子と虚偽の結婚の約束をして孕ませて、金をちらつかせ堕胎をさせ逃げようとしたものの失敗すると、遼子姐御に命じて夏子さんに「腹部のみを殴る蹴ると云う壮絶なリンチ」を行い強制堕胎させ「水洗便所の汚物」として処理し、結果として夏子さんを自殺に追い込む極悪非道さ!」を見せたのは、先日ご逝去された名和宏!

 

 

「紳士そのものの振る舞いに真摯な恋愛感情…しかし実態は口も性技も上手い好色家で損得勘定に長けるものの、都合が悪くなるとネコさんと遼子姐御の助けを得なければならない屑そのもの!」と云う役柄!

 

 

しかも「因縁の有る玲子姐御を、自らの過去の汚点を振り返る事もせずにのめり込み交尾したが為に、実父のネコさんの目の前で妾の葉子さんと交尾する羽目になる情けない姿」迄も披露!

 

 

素晴らし過ぎます名和センセイ!

 

 

 

はっきり言って「ネコさん・名和センセイ・葉子さん・遼子姐御の実態を知らずに入学させた親御と、男を見抜く目が全く養われていなかったにも拘らず、名和センセイに酔いしれてしまった夏子さんが全て悪い!」と言われても何も言い返す事は出来ないでしょう!

 

 

 

「聖光学園」漢字を入れ替えれば「性交学園」!

 

 

由利徹・大泉滉等々が教員で校医が岡八郎!

 

 

「学園関係者も関係者なら生徒も生徒!」で、授業中に早弁や漫画熟読・化粧等々は序の口!

 

 

シンナー遊びや喫煙をしているわ、机に「交尾中の姿」を彫刻刀で掘るわ、ストリップが始まるわ、アントニオ猪木の写真をおかずに電動こけしで自淫を始めるわ、風船代わりにサックを膨らませて教室中に飛ばしているわ…

 

 

新任教師で熱血漢の成瀬正孝が、同僚教師で恋人でもある女屋実和子の応援を得て生徒達を更生させようとしても「事勿れ主義・私利私欲の学園関係者」に囲まれている現状では到底歯が立たぬばかりか、美樹様の後ろ盾を得た不良少年達に実和子さんを輪姦され、更に美樹様一味に騙し討ちされる羽目に遭う等々、踏んだり蹴ったり…

 

 

成瀬さんの「独特の雄叫び」だけが空しく響き渡る…

 

 

 

同時期に並行して東映京都が制作した「女番長(すけばん)シリーズ」の舞台を女子高校に代え、組織の輪郭をより明確にする事により「東映現代やくざ映画に於ける、組織同士の衝突・対立構造の面白さ」を手に入れ、更に「終盤のエキストラ大量投入による、角材を手にした河原での決斗場面」は「東映時代劇のチャンバラの面白さ」をも継承しています。

 

 

 

そして「望まずして事件により処女を失った美樹様を「傷物!」と家族ですら見放し相手にせぬ現状と、美樹様自身の心の闇と本心」をきちんと描いている所がソクブン監督らしさ!

 

 

反権力志向も「女番長シリーズ」以上に強調されている事は「学校法人が舞台」と云う事からご理解が頂けるものと思います。

 

 

世の中「ポルノ映画・ピンク映画」と云うだけで「駄目な作品・不健全な作品」と見る方々がまだまだ…と云うより、ここ最近に於いては寧ろ増大している様にも感じます、特に若年層から中年層に於いて…

 

 

しかし「一定の情交・女性の裸体を出しさえすれば題材は自由で、その事が制作関係者・役者等々の意欲を刺激し奮い立たせ、事実多数の玄人制作陣・名役者達を輩出してきた事実」が有りますし、生前或る書籍内に於いて名和センセイは「ポルノ作品を遣るなら「きちんとした物を!」と「何故殿様が髭を生やすのか?」等々を真剣に討議したりもした」とお話をされていました。

 

 

ソクブン監督・名和センセイ双方が大きく関わったこの「女暴力教室」に於いても「何かを真剣に討議した」と思います。

 

 

それを考えながら、今回の放映で再鑑賞する所存です。

 

 

 

 

 

 

 

俺は、これ迄数多く制作されて来た「学園が舞台の劇場公開/テレビドラマ双方に於ける映像作品」では一番好きですし、皆様に一番お薦めするのはこの「恐怖女子高校シリーズ」全四作品です。

 

 

この類の学園物を見慣れてしまった上に嵌った為か「ポルノ・ピンク絡みの学園物」「破壊行為と暴力行為・交尾等々に明け暮れる学園物」は好きでも「健全そのものの清らかな学園物」は「棘にも毒にもならない、退屈でつまらない観る価値の全く無い作品ばかり」と感じてしまう様になりました。

 

 

 

他の出演者は、須藤リカ・碧川ジュン ・丘ナオミ・一の瀬レナ・松井康子・東映子・中村錦司・那須伸太朗・蓑和田良太等々です。

 

 

 

最後に…丘ナオミの役名は「王メイ子」!