見易さ・解り易さは指折りの東映仁侠映画・東映京都「続・兄弟仁義」来月日本映画専門chで放映 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み二日目、朝から晴天で高温となっているものの、適度な風が有る為比較的快適に過ごす事が出来ています。

 

 

 

さて、来月より五カ月間連続で、日本映画専門chに於いて「東映チャンネル×日本映画専門チャンネル共同企画 兄弟仁義シリーズ 全九作品完全放送」が開始となります。(監督は山下将軍五作品、中島村長・ソクブン監督・佐伯清監督・武市監督が各一作品)

 

 

 

※日本映画専門chの総合案内は此方から

 

 

 

映画としては「サブちゃん初の主演作品シリーズ」として、歌としては「任侠道を見事に歌い上げた男の歌」と云う認識となっていますが、歌自体は「サブちゃんを含めた実在の人物三人の友情の事を歌ったものであり、映画化は任侠映画の多角化を模索していた東映から「題目がいい」と云う事で話が来た」との事。

 

 

サブちゃんは「芝居の師匠は鶴田のおやっさん」とお話をされていますし(「失敗を気にせずに遣れ」と言われたそうです)健さんには「芝居が上手くなって来たねぇ」と褒められた、とも…

 

 

 

上記のお話は日本映画専門chの総合案内から一部を抜粋させて貰いましたが、この作品により「ヤクザ役が似合う歌手」の一人にサブちゃんを真っ先に挙げられる方々は非常に多いと思います。

 

 

因みに俺が「ヤクザ役が似合う歌手三人を挙げろ」と言われたらサブちゃん・ムッチー、そして一作品のみの出演ですが千春様です。

 

 

「千春様より長渕剛だろ!」と多くの方々からご指摘を受けるかとは思いますが、勿論出演作品数は長渕さんの方が多いし、一定の評価と絶大な支持を受けている事は承知をしています。

 

 

しかし、千春様ご本人が「ヤクザ映画の大ファン」である上に、ご存知の通り「或る組織の幹部との付き合いが有る事」(取材に対しあっさり認めた上に「今後も付き合いは変わらない」と言い放った事が逆に良かったのか、一気に鎮静化しました)が本物の持ち味をきちんと生かした凄味」「大好きなヤクザ映画に出演できた喜び」「破滅型のヤクザの姿を、往年の役者陣に引けを一切取らない芝居で乗り切った姿勢」が見事に融合していましたので俺は千春様に軍配を挙げます。

 

 

 

話が脱線してしまいましたが、この「兄弟仁義シリーズ」は東映仁侠映画作品群の中でも「観易さ・解り易さ」では指折りですし、歌手としてだけではなく「暴れん坊将軍シリーズ」に於ける長年のレギュラー出演、更に最近では馬主としての名声をも得ているサブちゃんですから「手に取り易い点」に於いてもお薦め出来る傑作シリーズです。

 

 

 

平成29年8月は記念すべき第一弾で松方さん主演・サブちゃん助演の「兄弟仁義」と、本日紹介する第二弾が放映されます。

 

 

 

「続・兄弟仁義」(「兄弟仁義シリーズ」第二弾)昭和41年8月13日公開・村尾昭脚本・山下将軍監督・東映京都制作。

 

 

VHS/DVD化作品でYouTubeムービー/U-NEXT/DMM.com/GYAO!ストア/Amazonビデオ内で有料動画配信が行われています。

 

 

又、日本映画専門ch内に於いて8/11(金)21:00・8/13(日)09:00・8/25(金)21:00・8/26(土)19:50・8/31(木)17:00の五回放映されます。(字幕付きHD放映)

 

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

※日本映画専門chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●東映公式・YouTube予告動画

 

 

 

 

 

 

併映作品は「網走番外地・南国の対決」(「網走番外地シリーズ」第六弾。伊藤一原案・石井センセイ脚本/監督兼務・東映東京製作。VHS/DVD化作品iTunes/bonobo/GooglePlay/ DMM.com/YouTube内で有料動画配信が行われています。KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

 

 

 

●東映公式・YouTube予告動画(上)/プレビュー動画(下)

 

 

 

 

 

 

 

舞台は大正時代の上州。

 

 

「これ迄の堅気衆に対する不義理を返す為」そして将来的には博徒から土建請負業に切り替え、堅気になろうと河川改修工事を請け負った博徒一家の頭・大木若頭と、その行為に悉く邪魔をする敵対組織の頭・方正さんとの戦いに巻き込まれる「流れ者」のサブちゃんと鶴田のおやっさんの物語。

 

 

「俺は侠客を貫く男!」と自負していたサブちゃんを「一人前の侠客になる事の出来る男」と見込んだ上で「粋がるな!」と怒鳴り付けた鶴田のおやっさんの一言を切っ掛けに、上州の顔役でもあるムッチーの元で修業を重ね「一匹狼ながらも立派な侠客へ着実に成長してくのです。

 

 

更に「サブちゃんから離れない気弱な半端物・小島慶四郎とエンタツさんが当作のお笑い担当として活躍する面白さ」「方正さんの組織の代貸・里見黄門様とエンタツさんが営む居酒屋の看板娘・小川知子との恋模様」「大木若頭・宮園の純子姐御夫妻の一人息子の出生の秘密」等々を絡めて物語は進んで行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「歌手が役者の世界に飛び込んだ勢いをそのまま生かした演出」とも言えるのかなぁ…憧れて飛び込んだ侠客の世界で、教科書通りの心情と生き様を貫いて来たと自負していたサブちゃんが自惚れに気付き、一から男を磨き上げる一部始終は演者のサブちゃんとっても「実生活と重なる何か感じたのでは?」と思える芝居。

 

 

 

そして、方正さんが兎に角糞!

 

 

手打ち式での不義理でムッチーを激怒させても意に介さず、己を通して横槍を平気で入れる始末!

 

 

しかし「方正さんの糞野郎芝居」が有ったからこそ代貸・里見黄門様の芝居が光り「不義理を続ける方正さんに対する複雑な心情」「知子さんとの恋を「死んだもの」と諦め、組織の為に命を捨てる姿」そして「心から待ち望んでいたサブちゃんとの兄弟盃を交わし、笑顔で逝く最期」「ボンクラ野郎」にはたまらない場面です!

 

 

 

更に、是非皆様に感じて貰いたいのは「登場しただけで場面の雰囲気を一瞬にして変えてしまう鶴田のおやっさんの貫禄」そして「本物の侠客と同様に、修羅場や最大の危機を迎えても決して目を剥かない腹の据わった芝居と静かな凄味」。

 

 

「特に芝居の上手い役者」として名が挙がる事も多いですが、その良さが「鶴田のおやっさんを知らない若い世代には広く伝わっていない現状」が東映ファン・鶴田浩二ファンとしては非常に残念。

 

 

実生活上では、俺と同じ40代半ばの方々でも「名前すら知らない」「名前は知っているが映像作品を観た事も無ければ歌を聴いた事も無い」と云う方々が多いのには驚きました。

 

 

当作の様な「観易く・解り易い助演作品から」でもいいですので、是非共この「芝居巧者ぶり」「自らの生き様や人生観を役柄に生かしつくした姿勢」を感じて頂きたいと日々思っております。

 

 

 

東映仁侠映画にしては珍しく、主要出演陣で殺傷され退場するのは里見黄門様と方正さんのみで他は全員生き残ります。

 

 

今でこそ「時代劇の大御所・里見黄門様」ですが、この時期は東映京都制作の時代劇や任侠映画への出演が主で「水戸黄門」で名声を得るのは、当作品公開から数年後の事です。

 

 

そして、ムッチーの取り巻きとして登場する林彰太郎の「台詞は無いものの、表情のみで見せる善人芝居が強く印象に残る作品」である事をお伝え致します。

 

 

 

他の出演者は、セキコウさん・ルーキー新一・金子吉延(大木若頭・宮園の純子姐御の一人息子役)・楠本健二・唐沢民賢・国一太郎・阿波地大輔・高並功・加賀邦男等々です。

 

 

 

最後に、ワイズ出版・刊「将軍と呼ばれた男 映画監督 山下耕作」内に於ける「山下将軍の回想」によると、山下将軍と俊藤統括の初顔合わせは「兄弟仁義」の初作で「サブちゃんを主演にして作品が作りたい」と村尾先生と共に脚本を書き始めたのが切っ掛けなのだそうです。

 

 

更に、サブちゃんが先に出演していた小沢天皇監督で東映京都制作の「関東流れ者」の中で「兄弟仁義」を歌う場面があり、俊藤統括が「この歌はいい!」と言い出したとも…先述したサブちゃんの回想に有った「題目がいい」の根拠はこれなのだと思います。

 

 

 

そして、何度も書いてはいますが今回はこの言葉で締めます。

 

 

東映仁侠映画は社会人の教科書の意味を持つ教育映画そのもの!

 

 

この世界観を知り日常に少しでも生かして行けば、今の世の中少しは住み良い社会になる筈!

 

 

そして「任侠道」とは「人が人に対して思いやる心を持つ」「人との義理・契約を守る」「先輩に対して礼を尽くす」「正邪を賢く見極める」「人が人を裏切らない」人間が守るべき正常な精神そのものである…と、鶴田のおやっさんはお話をされています。