文太さんが出演された「小沢天皇監督作品」三本の一本。東映京都「極道罷り通る」若山先生 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み二日目、ここ数日では最も過ごし易く、晴天の秋田市内です。

 

 

今朝は起床と共に、昨日深夜に東映chで放映されていた為に録画しておいた「ソクブン監督唯一の日活作品」である「堕靡泥の星・美少女刈り」を鑑賞!(手元にVHSソフトが有りますので、今回が四度目の鑑賞でした)

 

 

「日活ロマンポルノ史上でも屈指の傑作」である上、開始45分で「桃さん=文太さん」を「観客に一息入れて貰う事を目的に出す手腕」は見事としか言い様が有りません。

 

 

主演の波乃ひろみも綺麗ですが、俺は名和センセイの女房役の飛鳥裕子(黒崎輝夫人)・青姦された女子高生の日向明子が好みです。(お二人共に既に他界されたことが極めて残念)

 

 

岡本麗も大好きな女優ですが美貌と色気に嫌味が融合すると…更なる美しさを感じさせる」点は見逃せない!これが普通の役柄では一転して「美貌を封印し、地味な芝居に徹する事も朝飯前」のだから「天晴」です。

 

 

尚、当作品は「R15+版」として再編集された物が(性描写の一部に処理を施したのみで、内容は全く変わりません)今月の東映ch内に於いて本日以降、11/23(水)25:00~27:00・11/30(水)25:30~27:30の二回放映されます。(HD放映。東映chの作品案内・放映時間案内は此方から

 

 

 

 

さて…映像作品に於いてよく有る事は「結構有る様に思っていたのに、調べてみたら極めて珍しい顔合わせ」。

 

 

「役者同士の組み合わせ」の場合も有れば「監督・役者の組み合わせ」「監督・脚本家の組み合わせ」等々、様々な方向から見て行く事が可能ですし、これ等を追いながら鑑賞・再鑑賞していくのもまた楽しいもの。

 

 

 

本日取り上げる文太さんに関しては、小沢天皇の監督作品に結構出演をされている様で実は三作品に留まります。

 

 

健さん主演の「博徒列伝」・純子姐御主演の「日本女侠伝・激闘ひめゆり岬」とこの作品…

 

 

 

「極道罷り通る」(「極道シリーズ」第八弾)昭和47年7月3日公開・高田先生脚本・小沢天皇監督・若山先生主演・東映京都製作。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で有料動画配信も有りません。東映ch内に於いては数度の放映実績が有ります。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

併映作品も素晴らしく「大馬鹿の百貨店!中盤以降は笑い過ぎて腹痛と泣き笑い必至」の「温泉芸者シリーズ第四弾」我らがソクブン監督が手掛けた「温泉スッポン芸者」!(主演の美樹様や葉子さんもいいですが、スガカン・成瀬さん・ネコさん・新伍ちゃん…そして「名和センセイの怪演」が見物!ノンクレジットですが、文太さんも笹沢先生・中島村長と共に「地廻りのヤクザ役」で出演されています。KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

 

 

 

小沢天皇は自著で文太さんについて「遊侠列伝の時の文太さんはとにかく下手で、何回もダメ出しをした。しかし、名優を多数前にしていた為にガチガチになっていた事も有るからなぁ…」とだけ書かれています。

 

 

昭和29年から昭和51年迄東映一筋で「自ら企画した作品」はゼロですが、113本もの「娯楽作品」のみを一貫して手掛け、千恵蔵御大や鶴田のおやっさん・健さん・若山先生・純子姐御の主演作が多数。更に文太さんが東映で主演・助演級に起用され始めた頃の小沢天皇自身は完全な衰退期だったと云う事情を考えると…印象が薄いのは仕方がない面が有ります。

 

 

加えて「ひめゆり岬」「罷り通る」に関しては「手掛けて居られましたね」程度の記述のみ…文太さんが出演された三作品についても余り印象が無かった模様。

 

 

 

但し、自著内に「完成記念の集合写真」が掲載されており、小沢天皇を真ん中に「デン!」と座らせ、その周囲を主演の若山先生・悪役のエンタツさん・今井の健さんが「役柄そのままの姿」で寄り添い記念撮影に臨んだ事が伺えます。

 

 

 

「極道罷り通る」は「島村組」の名前には伝統も格式も威厳も無い事を知った若山先生が、金の力で岡山の老舗一家(但し、現代に合わせて組織化されたヤクザに押され衰退していました)の名前と代紋を手に入れようとする物語。

 

 

しかし、親分(志村の御大)に一喝され、若山先生は「修行の身」として励むことになるのですが、或る騒動が切掛で知り合った大阪の小学校の「お姉様先生」(松平純子)が「御大の実子」である事を知るのです。

 

 

そんな中、コンビナート建設を巡り、大阪から進出してきたエンタツさんを頭とする組織は国会議員や県議会議員と手を組み、漁師達を立ち退かせようと強引な手段に出た為、志村の御大は単身「話し合い」に向かいましたが勿論惨殺!

 

 

初めの印象は最悪だったものの、「初心に戻り修行に励んだ若山先生」(但し紆余曲折を経ています)を認めた御大は「一家を任せる」と言い残し息を引き取るのです。

 

 

若山先生は単身事務所に殴り込みをかけたものの、エンタツさん達は建設記念パーティーに出かけていた為不在。代わりに居たのは…懲役時代に知り合い、組織の代紋等々に捕われぬ若山先生の生き方に共感し義兄弟となっていた文太さん!

 

 

実は序盤で文太さんは出所後に「過去の義理」を果たす為にエンタツさんの一家の客分になっており、大阪での騒動では「文太さんの顔を立てて若山先生が殴り込みを断念した」経緯が描かれています。

 

 

しかし今度ばかりは引くに引けない!しかも「御大を葬ったのは文太さんのドス」だったのだから…

 

 

勿論この勝負は若山先生の勝ち…と言うより「義理の為に御大を葬ったとは云え、エンタツさん達の遣り方に内心怒りを燃やしていた文太さんが勝ちを譲り、命を捨てる事で若山先生に一家の壊滅を託した」と感じる趣。

 

 

「表向きだけではない…日本男児の義理人情の深さや重さを簡潔かつ解り易く仕上げる東映製作陣・役者陣の手腕」はやはり只者ではない!

 

 

しかも「観客側に様々な方向から考えさせ、その解釈に対しても一切縛りを設けない演出」も今の作品では勿論、当時の作品でもそう多くは見られなかった物!

 

 

一時期「若山組若衆」として在籍していた上に若山先生に可愛がられ「殴られもしたが、俺は若山先生が好きだった」と生前お話されていた文太さんとの「芝居を超えた信頼関係と相性」「この名場面を生み出した一番の理由」だと思いますが、小沢天皇も「文太さんの成長」を存分に感じ取った事と思います。

 

 

もし、衰退期を経る事が無く、更に易者に転身せず監督業を続けられていたとしたならば小沢天皇は文太さんを積極的に起用されたのではないのかなぁ…とも考えさせられる作品です。

 

 

 

当作品では「当時、東映東京撮影所に軟禁と同様の状態だった新伍ちゃん」に代わり、南ちゃんが「若山先生のおせっかいな右腕」を演じ、新伍ちゃんには無い「別な笑いの引き出し」で存分に楽しませてくれます。

 

 

「親父さんの倅が「気を付け!」をしたら即電話します!」と、笑顔で虹子姐御から「連絡料」を受け取った南ちゃん…姫路の賭場で知り合った女いかさま賭博師(森秋子)と交尾中に本当に連絡し「浮気現場で起きた大騒動の一部始終」は作品内最大の「笑い処」です!

 

 

 

他の出演者は…林の彰さん・谷村昌彦・楠本健二・片桐さん・木谷邦臣・有川正治・疋田泰盛・佐藤京一・野口貴史・志賀ちゃん等々です。

 

 

 

●追記

 

 

先日、相互読者さんの栄子さん・moutonさんが書かれた記事で発売を知り、本日市内の「老舗レコード店」で購入しました!

 

 

「帰ってきた!!トラック野郎スペシャル」二枚組CD。¥3800-+税。(左)

 

 

因みに右は今年の8月に全国哥麿会の催しで一番星号/ジョナサン号が来秋した際、会場で購入した「文太・キンキン 歌え!!トラック野郎スペシャル」二枚組CD。¥3800-+税。

 

 

 

IMG_20161118_142746737.jpg

 

 

 

これで自家用車の中でも「トラック野郎三昧」です!

 

 

運転のお供にはもう「言う事無し」!注意しなければならないのは「速度超過」と「カンカン」!

 

 

 

記事内で情報を書いて下さった栄子さん・moutonさんにはこの場を借りてお礼を申し上げます。教えて頂き有難うございました。