シリーズ最終作は熊本県内を大馬鹿で横断!東映東京「不良番長・骨までしゃぶれ」併映は「エロ将軍」! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、おはようございます。

 

 

休み最終日、今日も既に部屋の温度計が30度を超えています。

 

 

今日こそこの記事を書き終えたならば昼酒に突入します!

 

 

 

昨日の更新記事の最後の方で、高瀬顧問の新書をご紹介させて頂きましたが、殺陣師の歴史だけではなく、共演された製作陣・役者陣とのお話も興味深いものが多い上、顧問が非常に「文才」で「笑い死に」するかと思った面白さです!

 

 

 

●「あぶない刑事」の館ひろしは、宴会では浴衣姿で細川たかしの「北酒場」を踊りながら熱唱するのを何十回と見せられたが…

 

 

柴田恭兵は「寡黙」で、小一時間二人でコーヒーを飲んだ時、交わした言葉はただ一言「いい天気ですねぇ…」「そうかぁ?」のみ!(但し、恭兵さんの身体能力の高さと、還暦を過ぎてもそれが或る程度保持されている点に関しては非常に高く評価されています)

 

 

後日、恭兵さんは「俺、学費も生活費も麻雀で稼いでいたもん…」と云う「衝撃の過去」を教えて頂いた、とも…

 

 

●「刑事貴族3」で、経費削減も考え「婦警役の中山忍を拉致監禁し張り倒す!」役を演じたら、忍さんのファンを名乗る男から製作会社に脅迫電話が入り…「悪役の充実感」を満喫出来た!

 

 

内容は「忍ちゃんを殴った奴の家に火を点けてやる!」

 

 

この時の道場は経年劣化で改築を余儀なくされていたので、顧問は製作会社の担当者に…

 

 

「是非うちの住所を教えて火を点けさせて欲しい!保険が下りてタダで新築出来るから!」と…

 

 

しかし、返答は「冷たい目」で「あんた、番組を潰す気ですか!」

 

 

「刑事貴族」の製作会社は東宝でした。

 

 

やはりこの様な冗談も通らない会社なのかなぁ…

 

 

もし東映ならば、岡田会長が自ら陣頭指揮を取り「チャッカマンで放ったれ!柱一本残したらアカン!下駄は俺が預かったる!」と協力したかもしれないし(…する訳無いですね。遣ったら大事だわ!しかし「そう言い放ちそうな雰囲気」が有ります。何せ「ヤクザと間違えられる・ヤクザと対等に張り合えるカツドウヤ」でしたから…)東映撮影所内に常駐させている消防車も貸したかもしれないなぁ、延焼防止に!

 

 

又はこれを種にしてドラマの2.3本を製作したかも。拓ボンや日出さん・岩尾の正さん等々を「放火魔」にして…(似合うわ!)

 

 

 

そして「特捜最前線」で父親(高瀬将敏・高瀬道場初代顧問)の後を継ぎ擬斗の第一歩を踏み出した将嗣顧問…(「卒論を書きながら参加した」事も有るそうで…)

 

 

「演出陣は実力者揃いだったが、その中で最も印象に残っているのは野田幸男監督」と書かれています。(何せ、山口和彦・村山新治・村山三男・佐藤肇・野田幸男等々の「東映東京の本編監督陣」+「特別機動捜査隊」の監督陣+「非情のライセンス」の監督陣+井上梅次・松尾昭典・須川栄三・宮越澄・長谷部安春等々の「他社から招聘の監督陣」の混成ですから…)

 

 

野田監督は「特捜」開始当初から監督陣の一人として参加され、昭和55年に「大激闘・マッドポリス80」「特命刑事」の演出で一時番組を離れたものの「特捜」で演出を担当された回数は、確か東映東京テレビプロダクション所属の天野利彦監督に次ぐ「少なくとも約510話中の、最低70~80話(間違いの場合は何卒ご容赦下さい)は手掛けられた」かと…

 

 

「不良番長シリーズ」等々の演出が、余りにも破天荒で脱線し過ぎた為、東映東京内で「もうあいつには本編(=劇場公開作品)は撮らせない!」となったらしい野田監督…(岡田会長は実力を認めていましたが…)

 

 

しかし東映は「合理化」とは言いながら「転籍」「適材適所の人材配置」「映像事業以外での収益確保・雇用創設」等々で「社員を酷使し、衝突を繰り返しながらもきちんと守った会社」。

 

 

この点は顧問も「新伍ちゃんは「義理欠く・恥欠く・人情欠く…三欠マークの東映」と言っていたし、不満や反対・衝突が頻繁に起きていたのは事実だが、東映は他社に比べたらまだ社員に対する誠意が有った」と書かれています。(「東映Vシネマ」を創設した目的の一つにも「雇用確保」が含まれていた模様です)

 

 

 

人物は「温厚で誠意に溢れていた」野田監督。

 

 

或る時「特捜」の現場で細かなカットを「順撮り」していた事に不満を述べた方が居たそうです。(「カットの細かさ」は石井センセイや新伍ちゃんもお話されています)

 

 

それに対し野田監督は…

 

 

「いいですか!「下手な中抜、休むに似たり!」と言うんです!役者の気持ちを持続する為には順撮りは必要なんです。貴方達スタッフが手を抜いてどうするんですか!」(撮影の方法には「脚本通り順番に撮る方法」と「(例)カメラが二台有る場合、先ずカメラ①の方向からの場面を纏めて撮った後、カメラ②の方向からの場面も纏めて撮る手法」が一般的である模様です。顧問の話を読む限り、前者は「映画の手法」後者は「ドラマの手法」として定着していたのかなぁ…とも受け取られますが、真意の程は伺い知ることは出来ません)

 

 

…と激昂!

 

 

顧問は「嗚呼、この方はカツドウヤ、映画の人なんだ…」と感動した、と…

 

 

 

 

野田監督が演出を担当した「特捜」「不良番長」とは真逆の「社会の暗部を抉り出した「暗く、重いが目を逸らしては絶対にならない問題提起」が為されており、結末も「いい終わり方」は皆無で、非常に考えさせられる重々しい物語」がほぼ全て。

 

 

「生真面目も大馬鹿もきちんと演出出来る」事を顧問は非常に高く評価されています。

 

 

 

その「野田監督」が「不良番長シリーズ」の最終作品を「熊本横断ロケ(阿蘇→熊本→天草)」で破天荒な大馬鹿を「これでもか!」と見せつけてくれたのがこれ!

 

 

 

「不良番長・骨までしゃぶれ」(「不良番長シリーズ」第十六弾で最終作品)昭和47年12月2日公開。山本英明/松本功の共同脚本・野田監督・東映東京製作。

 

 

VHS/DVD化作品でDMM.com/U-NEXT/ビデオマーケット(プレミアムコースの場合)/bonobo内で有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

当作品は太田美鈴の「東映製作の劇場公開作品初出演作」。

 

 

 

併映作品も素晴らしいです!

 

 

「東映時代劇ポルノの金字塔」の一つ「エロ将軍と21人の愛妾」(掛札昌裕/ソクブン監督の共同脚本・ソクブン監督・玲子姐御/美樹サマ/林真一郎主演・東映京都製作。DVD化作品ですが有料動画配信は有りません。KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

 

 

 

 

 

もし名画座や有料波での放映で「骨までしゃぶれ」「エロ将軍」を連続放映したら…俺を含めた「東映ファン・娯楽映画ファン・大馬鹿映画ファン」は泣いて大喜びする事間違いありません!

 

 

これ等の作品の公開当時も「大喜びした観客」は相当数居たかと思います!

 

 

見方によっては「最強の破壊力と魅力を持っている番組構成」!

 

 

 

因みに…由利ちゃん・大泉さんは「双方の作品」で「重要な大馬鹿担当」として出演されています。

 

 

 

うちには「骨までしゃぶれ」はVHSからダビングしたものが「エロ将軍」は東映chの放映時に録画し、ブルーレイに焼いたものが有り、一度連続で鑑賞しましたが…

 

 

「顎が外れたり糞小便を漏らさなっただけで、酒は吹き出すわ飯が飲み込めず咽るわ…その内に笑い泣きが始まって酔いは醒めた上に腹の筋肉が痛くなり、就寝時目を瞑ると「爆笑場面と台詞」が思い浮かび吹き出して朝迄寝られずそのまま勤務へ…」

 

 

もう、こうなる位「大馬鹿と笑いを徹底させてくれたら大満足!」です。

 

 

 

密輸ダイヤを巡って「辰ちゃん率いるカポネ団・謎の女三人組「番長ガールズ」・密輸ダイヤの運び屋の新伍ちゃん・金バッジのナベさん」が争う流れですが…

 

 

「辰ちゃんと女装した新伍ちゃんがベッドイン!」「小学生に扮しながらも咥え煙草でホテルを歩きナベさんの一味に見つかるカポネ団!」「ホテルのベランダから吊るされた辰ちゃんを助けるどころか、悪口(デブ!年上だから番長を遣らせているだけ!等々…)を散々言い放ち、放置したまま部屋を去るカポネ団と新伍ちゃん」「初夜が迎えられない新婚夫婦の大泉・丹下コンビ!(丹下キヨ子がピンクのネグリジェ姿で悶える姿は必見!)」「新伍ちゃんと実娘(ひし美ゆり子)との初夜を見届ける助平親父の由利ちゃん!」等々「約90分の脱線スタンドプレー大会」!

 

 

 

ただ一人、新伍ちゃんと同郷の友人でゆり子嬢と将来を誓い合っているフジタツの兄貴のみが「硬質な芝居」を見せ「ここぞ!」というべき場面を締めています!

 

 

 

この作品、熊本県最大のバス会社である九州産業交通が全面協力している為、ゆり子嬢は「産業交通のバスガイド」という設定…勿論、バスガイド姿も楽しめます。

 

 

但し「脱ぎ」は無し!

 

 

 

破天荒な大馬鹿が展開される当作品と、重厚な人間ドラマが展開される野田監督が演出を担当された「特捜」を連続で鑑賞した事も有りますが「真逆の物語を観客目線・視聴者目線できちんと仕上げる手腕」には心底感心させられました。

 

 

 

他の出演者は…やすしさん・力也さん・久保浩・藤山律子・大下哲也・中田博久・八名の親分・團巌・小林千枝・谷本小夜子等々です。