本土復帰直後の沖縄に千葉ちゃんが飛ぶ!東映東京「麻薬売春Gメン・恐怖の肉地獄」恒さん・日尾先生 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。


休み二日目。昨日からパッとしない天気が続いている秋田市内です。



昨夜、YouTubeで「日本の男性歌手では最も高音を綺麗に発する」「サブちゃんの次に歌唱力を持っている男性歌手」(私感)と思っている、千春様の曲を聴いていました。


歌も素晴らしいですが…「千春様、東映ファンか?」と思うだけ「現在の芸人達を完全に凌駕する、笑いのツボを押さえた話術」腹痛必至の大爆笑!



(事実「ヤクザ映画は大好き」と「松山千春の人生相談・天下無敵」(一時期「週刊プレイボーイ」に連載されたもので、単行本化もされています)内でご本人が書かれていました。東映京都
「極道戦争・武闘派」(貴一さん主演・今年58歳ですが変わらぬ若々しさと美しさがたまらなく素敵な増田恵子のオネーサマ共演)では「助演男優賞」をも獲得!「制動装置が最初から装備されていない欠陥暴走機関車」そのものでしたが…はっきり言って「ヤクザ役」は長渕剛より遥かに本物らしく素晴らしいもの!この後「ヤクザとの交際」が数回発覚してもあっさりと認めて一気に沈静化させた所もさすがです!)



これはほんの一例ですが…


「これ、NHKのハイビジョンで生放送されているんだろ…昨日からNHKの連中が寄って来て
「千春さん、余計な事は言わないでください…」と言っていた…だったら俺を使うんじゃない!ただでさえ危ないんだから…


こっちは選挙の応援でさぁ…久し振りだよ、こんな真面な客の前で歌うのは!


しかも…俺が余計な事を言い始めれば、急にマイクが切れるらしい!ですから、テレビを御覧の皆さん…途中でブッツリ音声が切れるかもしれませんが、その時はわたしが何かを遣っている時です!


「(長崎でのさだまさしの公演に出演した際)タクシーの運転手が「長崎は土地が無い=山肌に家屋を設けるんだ」と話されていた。長崎の夜景は綺麗だな…


もし
北海道で山肌が明るかったならば…「山火事だ!皆で消しに行くぞ!」と大騒ぎになる!



「俺がギターを弾いても…木魚叩いている様にしか思われない!


「今日の出演者の中で一番年下なのは俺だが…
一番生意気なのもこの俺だ!


「俺は「歌うてるてる坊主!」…バカ!俺は昨日から「会場が晴天になりますように!」と(興行の主催者である南こうせつに)昨夜から此処に吊るされていたんだぞ!


「これから
凄い奴らが出て来るから…俺が歌っている間に小便は行けよ!おむつは持ってきたか!


「(あるテレビ番組で)徳永英明は
「アッチの方向の人間(ホモ)」かと思っていたが、実に男らしい奴だ!(司会者の「アッチの方向の人は嫌いなの?」という問いに)いやぁ…俺も「貸してくれ!」と言われたら…断り切れないかなぁ…って…



人の事や世間の事も散々に言うが…
それ以上に自らをも落とし切って笑いに変える!


加えて「政治問題・社会情勢」等々にも精通し決める所はきちんと決めるからいい!


「売れない曲を作るのは得意だ!」と笑わせながら「全国何処で興行を行っても満席に出来る数少ない歌い手」と言われる所以は「素晴らしい歌の数々」に加えてこの「観客目線・娯楽目線」。(もう一つは「全国津々浦々、大小自治体を一切不問で回り続けている姿勢」)



因みに…平成6年に秋田で「生の千春様」を堪能させて頂いた際は、会場に居た小さな女の子の為に「セーラームーン」の主題歌を一番だけ歌って喜ばせていました。


知人の話では、岩手県内の某市での興行では「某大物政治家の事を散々話して(間違い無く「痛烈批判」「褒め殺し」でしょうねぇ…)会場は大盛り上がりだった」とも聞きましたが…



さて本日は…
東映が通済先生が率いる「三悪追放協会」と組んで製作したシリーズ作品から…



「麻薬売春Gメン・恐怖の肉地獄」
(麻薬売春Gメンシリーズ」第二弾)昭和47年12月16日公開。金子武郎/高桑信の共同脚本・高桑信監督・東映東京製作。


未VHS/DVD化作品で有料動画配信も有りませんが、
今月の東映ch「アクション映画スペシャル」内で放映の一作品として、本日以降は4/24(日)17:00~18:30・4/30(土)16:00~17:30に放映されます。(東映chとしても初の放映です。HD放映)








※KINENOTEの作品案内は此方から



※東映chの作品案内・放映時間案内は此方から



併映作品は「賞金首・一瞬八人斬り」(劇場版「賞金稼ぎシリーズ」第三弾。高田先生/本田達男の共同脚本・小沢天皇監督・若山先生主演/天知さん共演・東映京都製作。DVD化作品でDMM.com/ひかりTVビデオ内で有料動画配信が行われています)








此方の作品は5月の東映ch「傑作時代劇スペシャル」内で放映の一作品として、5/6(金)12:30~14:30・5/16(月)11:00~13:00・5/21(土)13:00~15:00・5/31(火)20:00~22:00に放映されます。(字幕付きHD放映)


「一瞬八人斬り」も「痛快娯楽」!若山先生の「殺陣」も見事ですが…謎に包まれた天知さんの姿も見所です!







※東映chの作品案内・放映時間案内は此方から




沖縄返還から数カ月過ぎた或る日、都内のマンションから転落死した琉球舞踊家の女性(葵美津子)。


新聞等々の報道では触れられなかったなかったものの、葵さんがポンを打った後に転落した事を知った通済先生は、上層部に掛け合った上で厚生省(現在の厚生労働省)の「腕利きの麻薬取締官」(千葉ちゃん)を返還直後の沖縄に送り込みます。(前作
「麻薬売春Gメン」内に於いて「通済先生と千葉ちゃんの関係」は、千葉ちゃんの婚姻の際「仲人を務めたのが通済先生」となっています。この際の女房役は武原英子ですが、今作品には未出演です)



「観光開発の下見に来た不動産会社の幹部」を名乗り、現状把握に乗り出した千葉ちゃん…


しかし
「麻薬密売の大元締」と目論んでいた人物(道さん)を目の前で消された上に「本土の人間達に対する不信感」「厚生省の麻薬捜査官である事を知らない沖縄県警捜査陣の妨害」等々に逢い捜査は難航…(これは「捜査協力を行う事は有っても、警察庁及び各都道府県警察本部の麻薬取締部門と厚生労働省の麻薬取締部門は全くの「別組織」である為」です)


沖縄県警の刑事(恒さん)に逮捕されても「真の姿」を明かせない千葉ちゃん…その危機を救ったのが「千葉ちゃんと一緒に捜査を行った経験を持っていた」先輩刑事!


その刑事役は…今回も「擬斗兼任」の
日尾先生!


(余談ですが…「喧嘩が強い」事に目を付けた東映関係者が
「喧嘩の強さを仕事に生かしてみないか?」と日尾先生を誘った…と云う話も有ります。「恒さんと日尾先生」果たして何方が喧嘩が強かったのでしょうか?意外に「日尾先生」だったりして…とも考えました。もし「このお二方が戦った事が有る」と云う事になると「恒さん最強伝説」に変化が起きるかもしれませんが…現時点でそれを裏付ける話は見つかりませんので「恒さん最強伝説」は当面安泰…



結果
「千葉ちゃん・恒さん・日尾先生」三人組が「巨悪を根絶する」為に手を結びます。



その巨悪は「意外と身近な所」に居ました。


葵さんの「三姉妹」の次女(真木沙織。長女の葵さんと同様「沖縄が嫌い」。葵さんが「沖縄は貧しいから嫌い」という理由に対し、真木さんは同様の理由に加えて「米国に憧れている女性」して描かれています)の米人の婚約者!(
「怪しい異国人」となればこの方でしょう…「怪しい日本語」が素晴らしいオスマン・ユセフ!


しかも「葵三姉妹」の三女で
恒さんの恋人(テレサ野田。此方は「沖縄が大好き」でこの地を離れる意志は全く有りません)を「今からアンタは俺の女!アレ(真木さん)はさっき迄の女!」という「餓鬼でも言わない大馬鹿な我儘」で「車内交尾+青姦」の「合わせ技」を決めます!



恒さんの前から姿を消した野田さんに「事実を知った」真木さん…更にユセフそのものが「麻薬の運び屋」かつ「米軍と昵懇」である事を突き止めた千葉ちゃん三人組!


加えて、それを指揮していたのは、通済先生の「出版披露会」に顔を出していた「財界の重鎮」(方正さん)とその右腕(六さん)!


「最後の戦い」の火蓋が落とされるのです…



娯楽性をきちんと構築しながら「琉球民族が抱く、本土の人間達に対する不信感…しかし
「生活の為」「どうしても本土や海外、米兵を始めとする異国人に憧れを持ってしまう沖縄の若者達の揺れ動く気持ち」をも同時に描く」「違法行為をしなければ生活が出来ず、ポンの売り子に身を落していた混血児(ケン・サンダース)の苦悩と、姉(早乙女りえ)の将来の安定した生活を心から祈って行っていた貯金の重み」「沖縄を汚す本土の悪人を消す為に千葉ちゃんが来た事を知った「沖縄ヤクザ」(郷さん)の心境の変化と壮絶な最期」「本土に憧れながらもポンにより「雁字搦め」にされそうになった所を千葉ちゃんに救われた女給(横山リエ)の感謝の気持ちと悲惨な結末」「日米地位協定の不条理」等々を「的確に・端的に・心に染み入る形」で加えている辺りは「さすが東映!」と思わせてくれます。



故・岡田茂・前東映名誉会長(この当時は東映グループ各社の代表取締役社長)は「東映カラーの継承」に加え「作品製作に於いては思想等々に左右されない事を心情とし、いざと云う時には製作陣を身体を張って守る!」という「確固たる信念」をお持ちだったのでしょう。(この点については、奥山和由・元松竹取締役も「本当の意味での映画人」という言葉で締める形で、同様の事を話されています)


そうでなければ、数多くの製作陣が「安心して大船に乗って自由に力量を発揮する事」は不可能だったでしょうし「この様な作品群」は生まれなかった筈。


事実、岡田名誉会長の自著「悔いなきわが映画人生」内「岡田名誉会長・沢島監督・サクさん」御三方の対談に於いて、
沢島監督・サクさん共に「やはり東映撮影所が一番いいですよ。こんなに働き易い所は無い。アバウトで遣り易い」と話され、それに対して岡田名誉会長は「ともかく東映は硬くない。ワサワサした所が有る」と返答されています。(逆に「この雰囲気」が「トラ・トラ・トラ」製作時に黒澤明が「東映側とトラブルになった」原因とも言われています。極一部の識者は「東映が悪い!」と言っていますが、大半は「東映・黒澤明双方共悪くない。初めから黒澤監督に配慮し東宝撮影所を使用する様に尽力をしなかった米国の製作会社が悪い」と…)



そして「返還後間もない沖縄本島の雰囲気や日常」を垣間見る事が出来る点でも貴重!


「英語と漢字が入り乱れた看板」「昭和53年7月30日迄、暫定として継続された「自動車は右・歩行者は左」の交通規則
(従って、通称「沖縄仕様車」の国産車が数多く見られます)」「当作当時「本土では無かったのではないか?」という「ドライブスルーの様な飲食店」(野田さんの職場として登場します。「車に注文を取りに来て運んで貰える」という形ですので「現在のドライブスルー」とは多少違いすが、当時の観客には物珍しく、また新鮮に映ったと思います。「マグドナルドの日本進出第一号店」が当作公開の前年(昭和46年)。大部分の地方居住者は勿論の事、首都圏の居住者にとっても「ハンバーガーにコーラ」という「飲食形式」にはまだまだ馴染みも無かったに等しいでしょうから尚更だったかと…)」「国際線ターミナルから国内線ターミナルに移行し、名実ともに「国内線」となった沖縄航路」等々…


繰り返し鑑賞して行けば、まだまだ「見えなかった当時の現実」が発見出来そうです。



他の出演者は…堀越光恵(現・堀越陽子)・城恵美・穂高稔・土山登士幸・絃さん等々です。