大門が佐川(高城淳一)と三船(青木義郎)を斬る!日活「昭和やくざ系図・長崎の顔」安藤組長共演! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。


今朝の夜勤明けから土曜日の日勤開始時迄の休みに入りました。



今日は朝から快晴で暖かく、明日は更に気温が上がり「相当な雪融け」が期待出来そうですが…必ずもう一度ドカッと降るのが北国…まだ油断は出来ません…



さて本日は…今月末から来月にかけて、CS/ケーブルTV他・chNECO「日活名画館」で放映されている「日活ヤクザ映画」から…



「昭和やくざ系図・長崎の顔」昭和44年10月18日公開。中村幸也原作・池上金男脚本・野村孝監督・日活製作。


VHS化はされていますが未DVD化作品です。











左上写真・渡社長/水島道太郎。右上写真・益田ひろ子(渡社長と両想いのヒロイン。今で言えばベッキーに少し似ている感じ)。左下写真・渡社長。右下写真・安藤組長。








※KINENOTEの作品案内は此方から


※chNECOの作品・放映時間案内は此方から(3/4(火)06:00、3/17(月)15:00、3/21(金)06:00の「日活名画館」で放映予定)



長崎を舞台に「ムショ帰りの先代親分の実子(渡社長)率いる老舗一家(長老はアラカン・若頭に水島道太郎・弟分に郷鍈治)」と「関西の大組織を後楯に勢力を拡大し続ける新興勢力(組長は青木義郎。相棒に高城淳一・用心棒に安藤組長)」の「興行の利権を争う」物語。



東映ヤクザ映画で言えば、昭和41年に降旗康男監督・東映東京製作・健さん主演・十朱幸代共演で製作された「地獄の掟に明日はない」が物語は全くの別物ながら雰囲気は似ている感じがします。


「渡社長(健さん)は好きだがヤクザは嫌い」なヒロイン、共に舞台は長崎かつ昭和20年8月9日の長崎原爆投下の際の「被爆者」で「原爆病(白血病)」を抱えている、対決の構図や原因は違うものの「老舗一家と新興勢力の争い」が二作品の共通点。


「原爆の負の遺産」も交えて描いている為、共に「馬鹿や笑い」は有りません。



以前も書きましたが…日活の撮影現場では(特に長谷部安春監督は)「娯楽作品は東映に学べ」と普段から言われていたそうで、この作品も「東映カラーを幾分感じ取る事が出来る」仕上がり。


これは東映作品の常連俳優だった安藤組長・アラカン・水島さんの功績が大。


(余談…安藤組長は始めは松竹で活躍、その後は東映を主戦場としていますが「東映専属」ではなく、昭和44~45年にかけて日活でも当作を含め数作品に出演しており「やくざ非情史シリーズ」では主演もしています。東宝配給作品にも出演経験有。


又、新東宝倒産後にハンサムタワー全員が松竹に引き取られたものの誰一人として頭角を現す事が出来ず、安藤組長の松竹出演時代に知り合い「松竹は合わない…」と相談したのが切っ掛けで東映に移籍した「新東宝ハンサムタワー(他に吉田輝雄・高宮敬二・寺島達夫)」の一人が文太兄ぃです。他の三人もほぼ同時期に東映に主戦場を移しています)



そして安藤組長と渡社長の「初共演作」


敵対する組織ながらもお互いに認め合い「お前とは遣りたくない」「(マドンナの益田さんを呼び出し)二人で旅に出てくれ…俺も好きな女を死なせてしまった事が…(以下省略)」「(青木さんの組の用心棒になった事を)草鞋を脱ぐ場所を間違えた様だ…」と言い放つ姿が「安藤組長らしい野郎らしさ・優しさ」に見えてきます。


今回の安藤組長の役は「東京の所属組織から「破門状」を全国の組織に回されている渡世人」。



更に…刑事ドラマファンが喜ぶであろう場面が最後に登場…



長老のアラカンが殺された事で堪忍袋の緒が切れた渡社長は単身殴り込み、青木さんと高城さんを惨殺しますが…



「西部警察シリーズ」の大門団長(又は「大都会シリーズ」の黒岩)=渡社長が…「西部警察シリーズ」の佐川係長(又は「大都会シリーズ」の加川課長)=高城さんと「特別機動捜査隊」の三船主任=青木さんを警察内部の衝突からぶちのめした様にも見える場面!



…見方を変えると「この様にも」見えてしまう「楽しさ」が隠れていました。


(因みに「西部警察シリーズ」「大都会シリーズ」は当作の約6~10年後に製作・放映、又「特別機動捜査隊」は当作公開当時既に放映から7.8年経過していましたが、青木さんがレギュラー出演を始めたのは翌年の昭和45年からです)



青木さんの「冷やかな表情を見せ物静かだが…一度捉えた獲物は絶対に離さない悪役芝居」は評価が高いし、高城さんの「悪党ぶり」も中々!



他に葉山良二、興行(コンサート)の場面ではディック・ミネ、内山田洋とクールファイブも出演します。


勿論、クールファイブの歌った曲は「長崎は今日も雨だった」!



最後に…VHS包装やKINENOTEの作品案内では「フジタツの兄貴」が出演している事になっていますが未出演。


この役を郷さんが演じています。