東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

昨晩22時に勤務を終え、月曜日15時の始業時迄の休みです。昨日の寒さは何処へやら、11月初め並みの暖かさとなっています。そして今年の勤務は月曜日から最終週に入りますが物凄く物量が多く戦々恐々です。尚、今回の年末年始休暇は今月28日から来月4日迄と何時もより長いですので、29日から3日迄郷里の盛岡で過す予定です。

 

 

先ずは配信情報から…YouTube内「東映シアターオンライン」に於いて1/2(金)21:00迄、俺が深作欣二監督作品及び東映実録路線の中で一番好きな「県警対組織暴力」が無料配信されています(今回はYouTubeの基準により年齢制限が設けられている模様です。確かG指定だった筈ですが、映倫がPG又はR指定に変えてしまったか?)。何十回と鑑賞していますが今日の夜中にやっぱり鑑賞してしまった…題目で心を鷲掴みにされますし(最近はこの様な作品が無いなぁ…昭和期は他社の題目命名力も優れていましたが、岡田茂・東映名誉会長の閃き・巧さ・センスは未だに我国では最高です。因みに当作品は便所で大便中に浮かんだそうで…)冒頭の「鼻血の詰まったツラしやがって(中略)死んでこい!そっちの方が掃除が早いわい!」等々の菅原文太の台詞で鑑賞欲が一気に高まるんです。内容も期待を裏切る事の無い出来の良さ!改稿する必要が一切無かった優れた脚本だったと言われていますし、全役者陣の熱意がこれでもかと伝わって来る東映実録路線の大傑作です!

 

 

 

 

そして本日は此方の作品を…未DVD化作品でU-NEXT内に於いて有料動画配信が行われています(見放題対象作品)。

 

 

「三等兵親分」(「三等兵親分シリーズ」第一弾)昭和41年5月21日公開・棚田吾郎脚本・瀬川昌治監督・東映東京制作。

 

 

 

 

補充兵として入隊直前に遊郭で情婦の三島ゆり子を抱いていた時、壮行会を開いて貰っていたヤクザの親分である遠藤辰雄(後の遠藤太津朗)と一悶着を起こした江原真二郎でしたが、翌日この二人は同じ隊に配属され驚きます。しかも江原さんは中隊長の室田日出男と同級生であった事から何かと目を掛けて貰っていた為遊郭での一件が尾を引くのかと思いきや、根拠の無い仕打ちを受けても屈しない姿勢や、三島さんが江原さんに手紙を送ってきた際に三島さんに執心していた上等兵の南道郎からの嫌がらせを受けた際の屈辱に耐えた姿等々に惚れ込み、江原さんが隊を移動させられる前には三島さんと逢わせる為に一計を案じて遣る等々の男の友情・信頼関係が構築されます。しかしその遊郭に憲兵隊が乗り込んだ為に江原さんは窮地に立たされ…

 

 

 

 

江原さん(大学出)・エンタツさん(ヤクザの親分)の同期の面々は山城新伍(サーカス出)・田中春男(警官)・由利徹(占い師)・関敬六(運転手)・小島慶四郎(スリ)、上等兵の面々には室田さん・南さんの他にミスター珍・南利明(同性愛者)等々、他の面々も田中邦衛・佐山俊二・春川ますみ・八名信夫等々東映作品でお馴染みの面々が彼方此方に起用されている賑やかさ!この出演者の面々を探すだけでも楽しい作品ですし喜劇としての出来も相当なモノですが「夫々の過去は違えども、同じ釜の飯を食い艱難辛苦を味わい乗り越えた、これぞ本物の同期の桜と言える三等兵達の結束の強さ」は胸に沁みるものがあります。江原さんが三島さんに最後の出逢いに向かった際には万一の事を考えてエンタツさんが自らの組織に協力する様に申し伝えていましたし、新伍ちゃんは懲罰房に入れられている強みとサーカス出の身の軽さを生かして大車輪の働きぶりを見せ、由利ちゃんはインチキ祈祷?占い?で引き延ばし作戦に尽力する…それもこれも度胸と我慢を兼ね備えたヤクザの親分であるエンタツさんが認める程の男らしさと人を思う気持ちに溢れた江原さん自身が引き出した「皆が一人の為に…」の行動ですし、親分風を吹かせないのもこの行動を更に助長したのではないかと思う程。「理想の仲間を具現化した」と言ってもいいでしょう。

 

 

その逆に当たるのは室田さん…顔に似合わず(いや、似合っているのか、寧ろ…)江原さんが知る自らに都合の悪い過去を隠したいが為に姑息な手段に…これでは下の者からも絶大な信頼を得ているとは言い難い姿に映る筈です。そして本日時点で(知り得る範囲ではありますが)未放映かつ未配信の続篇「三等兵親分・出陣」も是非観てみたいです。第一弾の出演者である由利徹・南利明・南道郎等々が未出演ですが三等兵の面々は大きな変化はなく続投していますし、新たに大泉滉・菅井一郎・亀石征一郞・関山耕司・小松方正・藤山寛美等々が加わっていますので違う楽しさが発見出来そうな気がします。

 

 

最後に…今年は本日を最終更新とし、来年1/3前後から再開します(当方が休止中でも皆様の記事にお邪魔する事はあるかもしれません)。今年も多くの皆様にお越し頂き有難うございました。来年も宜しくお願い致します。それでは良いお年を。

皆様、こんばんは。
 
 
勤務開始日の夜中です。本日は来年1/21(水)26:00~27:00に東映chで放映予定の作品を…ソフト化状況は不明ですが、ビデオマーケット内に於いて有料動画配信が行われています。
 
 
「犯されたい女~被虐のレクイエム~」平成4年制作・鈴木敬晴脚本/監督兼任・新東宝映画制作。
 
 

 

 

若い女性が海辺の船着場で全身をロープで縛られ強姦された後に殺害されたと思われる事件が発生し、この女性との接触経験があった奇癖持ちかつ麻薬中毒の大学職員の男が逮捕されたものの、果たしてそうなのだろうかと疑問を持った女性ジャーナリストが行着いた結論は?と云う内容。状況のみで判断するならば確かに逮捕された男が有力容疑者となるのでしょうが、このジャーナリストが思った「高まり過ぎた愛情・一方的な愛情・愛の葛藤が惨殺に繋がる可能性」も当然あり、自らをその域に落としてでも証明して見せようとする意地が見物ですし、この位迄遣らなければ罪人の深層心理は中々掴めぬのかとも思った次第。60分にも満たぬ中でかなり濃度の高い物語を堪能させて貰いました。

皆様、こんばんは。
 
 
休み二日目の夜中です。本日は先月に日本映画専門chで放映された作品を…未ソフト化・未配信作品です。昭和6年に制作された同名の異国作品が存在していますが鑑賞した限りでは其方を参考・模倣した云々は無いと思われます。
 
 
「街の灯」昭和49年4月24日公開・梶浦政男/森崎東の共同脚本・森崎東監督・松竹制作。
 
 

 

 

残り少ない精力を一滴さえも無駄にしたくは無いと云うポン引きの財津一郎の上客・森繁久彌の要望に応える為、生命保険会社のCMに出演し大人気タレントとなっていた栗田ひろみのそっくりさんを差し出そうと弟分の堺正章に命じたのですが、そのそっくりさんは少々頭が弱かった上に笠智衆がくっ付いて離れぬ為「徒歩で故郷の九州に行く!」と云う本気か揶揄いか解らぬ行動に付いて行ってしまうのです。2.3度ヒッチハイクが出来たのは救いであったものの、捨て子と行動をする羽目となったり、女子プロレスの試合で散々な目に遭ったり…そんな紆余曲折を経ながらも無事に九州に到着したのですが、その目的はブラジル移民であった笠さんが初恋の人に逢う為だったと知り…

 

 

「整形手術に失敗し更に不細工となった女性役に研ナオコを配す」等々(但しナオコさんはかなりノリのいい芝居を見せてくれています。娯楽をきちんと理解されている方)中盤迄はドタバタと馬鹿の連続でこのまま結末に突入するのかと思いきや、九州の場面は相当なレベルの人間ドラマが展開される上に「笠さんの印象からは思いも付かなかったら行動」も堪能出来ます。更に場面が東京に戻ってからが更に驚きで…そんな展開の中でも貫かれているのは「思い遣り」財津さんが居候する食堂を営む吉田日出子は子宝に恵まれているのかと思いきや皆捨て子かつ血筋の繋がらない者同士が家族の様に日々を過していますし、堺さんもこの境遇を知っていたからこそ災難に見舞われながらも徒歩旅行に最後迄付き合えたのではないかと思う程。そして「森繁さんの要望に応える財津さん」も口では「いい女を差し出せば退職金が貰えるかも…」と言いながらもそこは男…「終わり良ければ全て良しで竿納めをさせてあげよう」とする気持ちから出た行動なのだと。森崎監督作品はソフト化等々中々日の目を見られぬ作品が多いですが、面白可笑しい中にも濃度の高い重厚なドラマが鏤められている佳作が多い事をもっと多くの方々に知って貰いたいものです。

 

 

最後に…U-NEXTの見放題対象作品に、ピンク映画に全精力を傾けるカメラマン達の行動を描いた森崎監督作品で西田敏行主演の松竹「ロケーション」が今月より加わりました。俺は大好きな作品です(DVD化作品・U-NEXT以外の配信サービスでも鑑賞可能。詳細は此方からどうぞ)。