自閉症の息子を女房のひろみどりと共に育てる所轄署刑事の田中邦衛…息子は同じ団地内の別棟に住む自称玩具デザイナーで子煩悩な原田芳雄に懐いていましたが、実は原田さんは腕利きの殺し屋で邦衛さんが捜査に携わりながらも迷宮入りした事件の捜査線上に浮かんだ事もありました。しかも新たに発生した殺人事件でも同様の状況となりますが尻尾が掴めない…そして当の原田さんは或る依頼を最後に血生臭い稼業から足を洗い瀬戸内海に浮かぶ無人島で一人生活を始めたのですが、自らを強姦した男を刑期満了を待って殺害して欲しいと依頼した事のある高橋洋子(歌手の高橋洋子と同姓同名の女優)が遣って来て…余談ですが、高橋洋子の他に字も同じ例では岡田奈々(昭和期及び平成期の女優兼歌手)・山口智子(女優で唐沢寿明夫人と主に東映で活躍した昭和50年代前半の女優)・美空ひばり(歌手と戦前の女優)等々、字が違う例では岡田有希子と岡田由紀子(歌手と元・東映女優)等々、男女共に同姓同名の著名人は結構存在していますね。
松竹ではこの年「原田・渡邊コンビ」で当作品の他に「やさぐれ刑事」が制作・公開されているのですが、双方共に俺は大好きです。「やさぐれ刑事」での原田さんは失踪した女房・大谷直子を九州迄探しに行く元・北海道警の刑事役で「過去を省みる亭主と現在を省みる女房の心理対比」が見物でしたが「反逆の旅」は「裏稼業に浸かっているからこそ解る平凡の有難味…だからこそ将来の見返りを期待されて拾われ人並以上に育てられた孤児がその恩を返したと判断した時行動に移しただけではなく、怨念の虚無感を体感させる為に高橋さんをけしかけ理解した後は受け入れる心の奥底に潜んでいた優しさが花開いたかの様な終盤」が中々。しかし邦衛さんも当り役である「仁義なき戦いシリーズ」の槇原の一面を思い出したかの様な「原田さんの逮捕の為なら姑息な手段も朝飯前」でしたから最後の数分間は再び緊張感が高まる展開に切り替わっています。私感ですが邦衛さんは「北の国から」以前(又は以外)の出演作や芝居の方が遙かに魅力がありますし、同じく松竹で制作されレギュラー出演していたテレビドラマ「大空港」の前哨戦にも見えてきます。尚、邦衛さんが女房に子作りを催促された際に「男らしさと優しさ…道端に落っことして来ちゃった!」と言い訳をしたのには大爆笑!そして「鉄道好きで飛行機嫌いの為、長距離移動の際は寝台列車での移動を条件にしていた」とも言われる原田さんも、瀬戸内ロケに出向く際には趣味を実益を兼ねていたでしょうから心に残った作品だったのではないかとも想像します。





