2018年 韓国
監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク
政治的な題材を一級の娯楽作に仕立てるのは、もう韓国映画のお家芸みたいになってるが、ここに極まれりって感じだ。
次から次へと見せ場と事件が山盛りで緊張感が途切れる事がなく、2時間強の上映時間を観客は引きずり回されてぐったりする。でも一瞬も目が離せない。
主役不在のアンサンブル・キャストも効果的で、ほんの最近にあった韓国の暗黒時代を覆したのが、多くの市井の人々の力があったことか伝わって来る。
そんな中で、主役級の存在感で中心に居座るのが、出演作がもれなく代表作になる男キム・ユンソク!その強力な顔力で国家権力の暗黒面を怪演。この男に捕まったら全ておしまいだ~と絶望を与える圧倒的悪役ぶり。そこにこの男なりの正義や情の厚さも感じさせるのが流石だ。
それにしても、韓国人は怒りっぽいと思われがちだが、怒るには理由がある訳で、国が間違っているなら俺達が変えてみせる!胸熱くなるよなクライマックスに、韓国人の国への熱い想いと真剣さは羨ましくもある。日本人もそろそろ怒る時かもしれないな。
桜坂劇場 20181005