喜劇、ならいいのか? | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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万引き家族

2018年 日本
監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー

この映画が公開された時、“こんなタイトルとんでもない”とか“日本の恥をさらすな”とか非難があったそうな。何を言ってんだか。

それじゃあこの間CSで見た植木等主演の「喜劇 泥棒大家族」はどうなるんだ。福岡の筑豊に、家族どころか村全体で万引き出稼ぎする炭鉱町があったというトンデモぶり。これを東宝40周年で作るんだから、大らかな時代だったんだな。いや、むしろ現代が不寛容すぎる。図らずもそれが今回のテーマに被っていたりする。

正直、是枝監督の映画はあまり好きじゃない。深刻な話をソフトタッチで描くのが、なんか綺麗事に見えてしまう。何も解決しない結末も釈然としないし。この映画もモラル的には無しなのに、疑似家族の姿はとても暖かい。

繋がりの無い本当の家族と、仲良しニセ家族ならどっちがいい?そんな分かりきったこと、今更聞くまでもない。ところがそんな綺麗事が、今回は真に迫ってくる。なんでだろう?

それも時代って奴なんだろうな。この映画で描かれた事は、今の日本にどこにでも転がっている。それはもう、隠しようも目を背けようもない。それを正面から描いているだけでも、この映画には価値があるだろう。

結局、万引き家族と泥棒大家族は何が違うって、世の中が変わったことなんかな。犯罪はよくない、でも犯罪でもしないと生きられない人がいるのも今の日本で、真面目に暮らせるのは、運がいいだけだと、肝に命じなければ

キャナルシティ20180624