監督:ドゥニ・ビルヌーブ
出演:ライアン・ゴズリング
まあ、見た後で言うのもなんだが、そもそもこの映画に続編はいらない。
誰がどんな手段を使って作ったとしても、100%を満足させるものが出来る訳ない。続編映画の中でも最大の難物と言っていいだろう。評価としては“悪くない”“良くできている”以上を言い様が無い。俺も悪くは無いと思ったし。
未来世界のビジュアルは前作が完成形なので、どんなに技術が進歩してもアップグレードしただけで越えようがない。核戦争後の廃墟となったラスベガスは良かったけど。思わせ振りな物語も、何も描かないまま途中で放り出して終わるから、煮え切らない気分になるばかり。
主人公も最初からレプリカントと分かってるから、悩んだり嘆いたりしても感情移入のしようがない。終始困り顔のゴズリングも魅力薄。前作のロイ・バッティみたいに客観的に見られれば違ったろうに。くたびれたデッカードの登場も余計でしかない。只、レイチェルの再登場にはびっくり。でもどうせならショーン・ヤングにそのまま出てほしかったなあ。彼女、いまどうしてるんだろう…
結局、一番印象に残ったのはAI ホログラムのジョイちゃんだったりする。完全な作り物にもかかわらず、健気に奮闘する姿が堪らなく可愛い。あんな萌え萌えな姿見せられたら、孤独な独り者ならコロっとやられちゃうだろう。良くできたシステムって恐ろしい。
いっそ彼女を主役にしてAI のアイデンティティー探しにすれば良かったかも。それじゃあ「her 世界にたったひとつの彼女」になるか。
キャナルシティ20171028