本当にくたばっても死なない凄い奴 | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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ダラス・バイヤーズクラブ

2013年 アメリカ映画
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
主演:マシュー・マコノヒー

出れば外れ無しの快進撃を続ける、マコヒー兄さん最初のアカデミー受賞作。今がピークじゃないと思える所が、この人の勢いの凄さを感じさせる。でもこれが代表作と言っても過言じゃない、捨て身の熱演か凄まじい。

実話を元にしたという物語も面白いが、この映画は主人公のキャラと、それに人間臭さを与えたマコノヒーの魅力に尽きる。

とにかくこのロンという男、見事なまでにろくでなしのゲス野郎である。そんな男がエイズを発症したことで変わっていく、訳ではない。ゲス野郎のままで、死んでたまるかと必死でもがき、のたうち回りながら、凄まじい執念で余命宣告を跳ね退けてみせる。未認可薬の売買も、善意でなくあくまでも金儲けのため。だが、欲と感情に正直なロンの方が、よっぽど信頼出来るから不思議。

そしてロンの立ち位置は微妙に変化していく。生きる為、金儲けの為に必死に体制側と戦い続ける彼は、いつの間にか頼れるゲス野郎として、患者達に希望を与えていくのだ。その変化のさじ加減が絶妙だ。

特に、お互いを嫌い合ってたレイヨンと、次第に深い絆で繋がっていく過程は、2人のラブストーリーと思えるくらい。レイヨンが死んだ時の憤りぶりは、最愛の人を失ったようで感動的だ。

それにしても、アメリカに限らないが、縦割りで頭の硬い医療業界には呆れるばかり。そこに風穴を空けてみせたのが、こんな型破りな男だったつてのが痛快至極。死ぬ気になれば何でもできる、そんな勇気ももてる快作。

KBCシネマ 0401