アベンジャーズ | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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スーパーヒーロー大集合。なんだか昔の東映チャンピオン祭を思い出すような企画だ。だが子供ターゲットの安易な映画とは訳が違う。

まあマーベルヒーローと言われてもアイアンマンぐらいしか見てないし、日本人には顔ぶれの凄さも有り難みも今一つ伝わりにくい。それに主役級がただ集まっても、顔見せに終始する味気ない内容になりがちだし。

ところがそんな心配は一切無用。普通なら目一杯必要な各キャラの紹介も、お馴染みだから必要無しと、思いっきりスルーしてるのが潔い。もし知らない観客がいても、最低限に何となく分かるていどの情報を、物語にさりげなく入れている、一見さんにも優しい親切設計。その辺はテレビドラマを見ないと訳が分からん日本のザ・ムービーの横柄さとは大違いだ。


何よりも、大砲ばかり揃えて打線が繋がらないどこかの球団みたいなことにならず、全員に能力に見合った見せ場を用意し、全員にキャラに合ったドラマをお膳立てし、お互いの個性の潰し合いも無くがっちり噛み合い、全員が主役として前に出てるのが驚き。これだけのメンバーを揃えてそれを実現するのは並大抵じゃない。脚本が優れてるってことだ。


まず番長格が顔を合わせれば、「俺が1番強い」「なんだと!」「やんのかこら~」となるもの。この映画もまず地球の危機そっちのけで、ヒーロー同士の意地の張り合いが展開するのが面白い。誰が1番強いのか?ヒーロー対決こそファンが見たいものだからな。決着がつかないのはしょうがないとしても。


それにヒーローだけじゃなく、普通の人間にも重点を置いてるのが嬉しい。特にキャプテン・アメリカの大ファンだというエージェントのはしゃぎぶりは観客の共感を呼ぶし、彼の意外な奮闘がチームを一つにまとめるきっかけになる展開も泣かせる。


一致団結したチームが、不埒な悪行三昧の悪党どもの前にそろい踏みで立ちはだかるシーンは、鳥肌ビンビンに立ちまくり!陸に空に、それぞれの特技を活かし、前半の小競り合いが嘘のような抜群なチームワークで敵を粉砕する怒涛のアクションは、ヒーローアクションの最高峰にふさわしい見事な見せ場だ。

ヒーロー達の中じゃ、初めてハルクがいいと思った。不死身で怪力で何も考えずに暴れてるだけってのが実にいい。ホークアイの弓矢技もかっこいいが、あんなに強いのはちょっと不自然か。パワーズ・ブース、ハリー・ディーン・スタント、なぜかポーランドの監督イエジー・スコリモフスキが唐突に出てくるから油断もならん。クレジット後のお楽しみも見逃し厳禁の名シーン。とにかくアメコミ・ファンだけが楽しむにはもったいない快作だ。

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