このシリーズの何が悪いって、チームで不可能ミッションに挑むのが「スパイ大作戦」なのに、最後はトムが１人で大暴れして何でも解決してしまう、トムの俺様映画でしかないこと。無敵のスターだった頃はそれも通用したんだけどねえ。
しかし昨今の人気大暴落でトムもようやくそれに気付いたか、今回は最後までチームプレイに徹している。おかげでシリーズ最高と言っていいほど中身は充実。
トンチンカンな理屈で核戦争を起こそうとする悪党どもの存在や、発射コードの争奪戦など、007かと思うような大味さ。でも話はシンプルにして見せ場で引っ張るってのは大正解。ミッションも脱出、侵入、奪回と、スパイ映画の王道ネタなのが嬉しい。
ドバイタワーをよじ登る冷や汗もののアクションも凄いが、砂嵐の中の追跡やラストの立体駐車場での格闘など、決して派手ではないが爆破や銃撃などに頼らない、趣向を凝らした見せ場で勝負する姿勢もよし。
アニメ監督のブラット・バードの起用も正解。ハリウッド随一のアクション俳優トムの体の切れも衰えず、これなら続編も期待していいかも。
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