暑い日が続いていますね
東洋医学では身体のバランスを大切に考えます。
西洋医学では身体は常に一定していると考え、そこから外れると異常(病気)と考え、その異常を正常に戻すことが西洋医学の治療です。
東洋医学では身体は常に変化するものであり、変化に対応してバランスをとれる状態を健康と考えます。
身体の変化に対応しきれずにバランスが崩れた状態を異常と考え、心身のバランスを整えたり、自分でバランスをとれるようにお手伝いすることが治療になります。
身体の大切な要素に陰と陽があります。
身体だけでなく森羅万象が陰と陽のバランスで成り立っていますが、今日は身体の陰と陽の話をメインにします。
分かりやすく説明すると陰は身体を冷やす働き、陽は体を温める働き です。
つまり、陰はクーラー、陽はストーブ と考えると分かりやすいでしょう。
人間も動物も、身体の中にクーラーとストーブがあると思ってください。
クーラー(陰)とストーブ(陽)がバランスよく機能していると体の機能は正常に働きます。
何かの拍子にクーラー(陰)だけがパワーダウンしてしまい、自分の力で元に戻せなくなった状態を陰虚といいます。
「陰虚」というのは、「陰が少ない」という意味です。
この場合、ストーブ(陽)は正常に動いていて、パワーアップしているわけではありません。
クーラー(陰)がパワーダウンしているために相対的にストーブ(陽)の力が強く見えるだけです。
陰虚になると、ストーブがパワーアップしているわけではないので高熱が出ることはありませんが、なんとなく身体が火照ったように感じます。
熱もないのに体が熱く感じ、喉が渇いて大量の水を飲みます
尿量が減ったり、便が硬めになったりすることもあります。
人間だとのぼせたようになったり汗をかいたりします
犬だとハァハァとパンティングします
冬でも暑がっていることがあります。
陰虚が進んでくると、明確な病気として現れることがあります。
例えば糖尿病、甲状腺機能亢進症(人だとバセドウ病など、猫にも多い病気)、副腎皮質機能亢進症(犬に多い病気)などの病気はこのような症状が多いと思います。
これらの病気の一部は、陰虚が原因で起こっているものがあると思います。
それ以外にも、陰虚が原因でいろんな症状が起こってきます。
特に夏の場合、夏の気候も、カンカン照りの太陽も、高い気温も、すべて陽のエネルギーを持っています。
陰虚になって身体のクーラーがパワーダウンしている所に、外から陽のエネルギーが入ってくるので、体の中の陽の力も強くなってしまいます。
そうすると、クーラー(陰)とストーブ(陽)のパワーの差が大きくなってしまうので、陰虚を持っていると夏に症状が悪化することがあります。
普段から暑がりの動物は夏に体調を崩すことがあります。
例えば陰虚が原因で呼吸器疾患、消化器疾患、椎間板ヘルニアを発症することもあります。
夏というと熱中症にばかり目が行ってしまいますが、陰虚も怖いのでお気を付けください
あ、熱中症について説明してませんでした
熱中症についてはまた今度