五宝6 - 津液の話その② 痰について | しちふくのひとやすみ

しちふくのひとやすみ

獣医師&獣医鍼灸師&レイキヒーラーである
しちふくの感じたいろんなこと

五宝というのは「気」、「血」、「津液」、「精」、「神」のことです。


前回 、津液の話のとき「痰(たん)」の話をしました。


痰と言えば咳をしたときに喉から出てくる白っぽくてねばねばした物体ですねゴホゴホ


しかし、東洋医学では体の内部にも痰ができると考えます。


津液がたまりすぎて粘り気を持つようになってできる痰もあれば、体の外から入り込んだ外邪(がいじゃ)の一つである湿(しつ)がたまりすぎて痰になる場合もあります。


痰には2種類あり、「物質的な痰」と「非物質的な痰」と言われます。


私が勉強したのは英語の本なので日本語では別な表現があるかもしれませんかぁっ


「物質的な痰」の典型的なものは咳をしたときに出てくる痰ですゴホゴホ



物質的な痰は現代医学の装置で検出することができます。


体内に物質的な痰がたまってできるものの一つが腫瘍だと考えられています。


現代医学で考えると、咳をしたときに出る痰の成分は粘液・免疫細胞・細菌などです。


腫瘍の成分は増殖の制御スイッチが壊れた自分の細胞です。


しかし、古代の人たちは腫瘍も痰の一種と考えました。


そして、痰に対する経穴や漢方薬を使って治療してきました。


痰に対する治療ということは津液や湿を取り払う治療になります。


このような治療が効果を示す場合もあります。



「非物質的な痰」は「形のない痰」ともいわれます。


非物質的な痰は現代医学の装置では検出できません。


非物質的な痰が蓄積すると精神疾患、認知性疾患、てんかんなどを引き起こすことがあるのではないかと考えられています。


非物質的な痰に対しても、余分な津液や湿を取り払う治療を行います。



現代医学では、アルツハイマー型認知症は脳内に蓄積したβアミロイドが脳組織を破壊することが発症原因ではないかと言われています。


このβアミロイドも、東洋医学で考えられる「痰」に相当するのかもしれません。



現代医学は身体を細胞レベルから見て考える学問です。


東洋医学は2500年かけて人間や動物を身体丸ごと観察し続けて体系付けられてきました。


長年の観察の蓄積である東洋医学には、迷信などと軽く片付けるにはもったいない、貴重な知恵がたくさん含まれていますキラキラ