レアな事例・・・プロトタイプを再々検証した結果 | 90年代国産車とロードスターとプロペラシャフトのブログ

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個人ガレーヂ「ガレーヂ27番地」のオーナーは、ユーノス&マツダロードスターとプロペラシャフト、90年代の国産車の維持管理を語るブログ。
NA8Cロードスターを約20年所有した間に学んだ事、オリジナル「リファイン」パーツの紹介等、ちょっと旧い車の維持管理がメインです。

様々な精度向上をさせてバランス取りしても、「普通には使えるがどうもリアファインを名乗るにはシックリ来ない」というプロトタイプ。

これを再度UK様にて再々検証した結果が届きました。

画像が上手く見えるか分かりませんが、まずは添付画像を見て頂いて・・・

「何故か?このシャフトは何度やっても思うように振動低減出来ず、回転数や装着方法を変えてみて、良いかと思えば回転数を上げるとまた振動が出るのです。」

「このシャフト自体に何かしらの問題点があるのかもしれません」

 

UK様の連絡と、自分がテストした中で、「もう消去法でいけば振れが大きい事が原因かな?」という事で計測をしてもらいました。

振れの計測自体はスパイダージョイント交換時に、振れを計測しながらスパイダーの位置決めをするので計測は可能だそうです。

 

ここで整備書を見てみましょう・・・これはNB系です。

基準は中心で0.4mmです。
(因みに、AE86は0.8mmが基準です・・・倍です。センターベアリング付きの2分割シャフトですが、これでも当時のトヨタ基準はOKなのです)
これに合わせると、プロトタイプは基準ギリギリですがOKです。
ただ、スプライン側で0.55mmの振れがあります・・・恐らくここが最も悪さをしている部分と思われますが、全体的にへの字のような感じですね。
問題無く使えます・・・「これでOKですよ、スパイダージョイント交換&バランスも取っているので」・・・と言って渡しても恐らくクレームにはならないと思います。
ただ、想像するにこのシャフトを付けた感想は「幾分スムーズになりました、ありがとうございました」というレベルであろうと思います。
それはイコール「まあ、良くはなったけどこんなもんなんだなあ・・・」で終わるという事。
 
出来れば・・・折角、精度良く組まれた物であれば「シャフトでここまで変わるか!」というリフレッシュ+α(スパイダージョイント交換8割、バランシング2割位と考えています)を味わって頂きたい。
しかしながら、「シャフトの個体差は必ず存在する」という前提で(勿論、純正新品でも)進めて行かなければなりません。
 
レアなケースですが(自分はプロトタイプであった事で、逆に良かったと思っていますが)基本的に現物リビルトですので、作業工程でバランス取りが上手く行きにくい場合は依頼された方との話し合いが必要と考えました。
作業工程中にどうもシックリ来ないという場合にはこちらから「このシャフトを使うかどうか?」を打診する場合があります。
その時に「使えない」のか、「一般使用ではまあ問題は無い(今回のプロトタイプのように)」は、そのシャフト次第という事になります。
ただ、リファインとは名乗れないという事になるでしょう。
 
UK様でも珍しいケースではあるそうなのですが、ロードスター以外にRX-7等の作業も行ってみてマツダ車は他のメーカー(扱うのはトヨタが多いそうですが)に比べて、作業の難易度が少し高いと感じるそうです。
このようなリビルトは、特にマツダ車に関してはまだ始まったばかりですので、様々なデータを取りながら少しずつ進めて行こうと思います。