引っ越し(完)、Steinwayこんにちは | ピアノのエチュード

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こんにちは

 ドイツの方、ようやく、トレンチコートだけでは寒いかなー、来週からマフラーをして出かけようか、という気候になりました。黄金の秋です。

 引っ越し先が、Cottbusに決まったので、

 グランドピアノを置けるという条件で、さらに、生活環境の良いアパートを見つけ、Steinwayが借りられるかどうか一生懸命に探し、Stuttgartまで試し弾きに旅行、その後、Blüthner とお別れ、アパート等の解約、家具の運送、そして、、、問題が次々とおこり、、ついに、はるばるSteinwayが来る、、

 この間、月日は飛ぶように過ぎ、14日金曜日に、やっと、一通りすべてが終了して、物事が落ち着き、しかし、前と比べると、いろいろなことが、ガラッと変わっていたのでありました。。。。。

 今日は、この3カ月ぐらいの、ピアノ関係のことだけ、ちょっとまとめて、書いておきたいと思います。

 
 お付き合いくださる方、どうもありがとうございます。^^

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 わたしは、Blüthnerのグランドピアノを、4年7カ月の間、月110ユーロで借りていました。

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 Blüthnerは、グランドピアノの中でも、そんなに悪くない、一流のメーカー。そもそも、この値段でBlüthnerは、とてもラッキーなことでした。最初、月160ユーロと言われましたが、110ユーロまで下げてくれました。

 ドイツでピアノをレンタルするといっても、Bostonかカワイか、または、ヨーロッパ製のもっと安いメーカーのピアノが普通なので、一流のピアノを借りるのは、相当、頑張って探して、運を掴まない限り、難しいです。

 安いピアノなら、新品も借りれますが、一流のピアノとなると、レンタル料金の高さから考えても、楽器屋さんが、中古を持っていることが条件になります。
 
 Blüthnerは、フェルトの部分がロイヤルブルーと決まっていて、

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 象牙鍵盤の素敵なピアノでした。

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 このピアノは、とっても楽しかったし、学ぶことがものすごく多かった。。。物語る楽器で、深く表現できるので、弾き方も随分変わりました。
 しかし、製造されてから60年ぐらい経過したピアノで、気候が悪くなると古いピアノ特有のゴワーン、ジャリジャリとした音になり、タッチの面からいっても、自分の望むようではなくなってきて、借りていた期間の最後の方では、もう、耐えられないものがありました。(それは、以前のブログに書きました。 こちら
 
 また、定価6000ユーロのピアノだったので、4年7カ月になると、6000ユーロ総計を払っていることになり、このまま契約を延長して借りるというのは、金銭面でも、大損でした。

 しかし、すでに、これは十分に良いレンタル条件、(普通は、もっと悪いピアノなのに、レンタル料金がさらに高い)なので、もっといいピアノが見つかるという保証はなく、このまま引っ越し先に持っていくことも、十分考えていました。

 借りていたピアノ屋さんにも、聞いてみましたが、もっといいのに相当するのは、Steinwayの新品か、Bostonの新品しかなく、(わたしはBostonが、あまり好きでないのです)、、が、しかし、すでに、レンタル料金は、Bostonで、358ユーロ、Steinwayで、858ユーロ、月なので、とても、振り向ける話ではありません。

 結局、Stuttgartのピアノ屋さんに、電話で、中古のSteinwayが借りれないか聞いてみたところ、普通は、もっと安いグランドピアノしか貸さないのだけれど、貸してもいいSteinwayが、来週工房に来るので、弾きに来ますか?月170ユーロのレンタル料金ですが、どこに住んでいます?となって、

 Cottbus です。でも、それは引っ越し先で、今はDresdenに住んでいて、Blüthnerを借りているけれど、どうしても今度はSteinwayが借りたいのです。

 Cottbus?それはあまりにも遠い。。。沈黙 叫び

 はい、でも、Steinwayを借りるのは難しくて、近場では無理で。

 それは分かります。しかし、運ぶのだって大変だし、、、何階です?

 地上階、(ドイツの0F、日本では1Fに相当)です。ピアノを入れるのは、簡単なのですが。

 そうですね、まあ、地上階なら、ともあれ簡単だから、距離だけの問題、、、、

 結局、わたしが試し弾きに来て、気に行ったら、快く貸してくれることになりました。

 往復運送は、ドイツ日本間の往復飛行機一回分に相当する値段がしますが、それでも、Steinwayを月170ユーロのレンタル料金で借りれるというのは、滅多にない幸運な話。試し弾きに行くまでもなく、ほぼ100パーセント決めていたのですが、Stuttgartに友達がいて、久々に会えることもあり、楽しみにして、確認に行きました。

 
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 3回目のStuttgart駅。1回目、2回目の滞在も長かったので、もうよく知っているところ。

 バスで少し行くと、工房があります。

 
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 その名もKlingen Str. (響く通り)

 看板のところを入ると、工房の入り口

 
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 工房の上司さんが、親切に迎えてくださり、社長さんも、ちょっと遅れて、ご挨拶に来てくださいました。

 Steinwayは、ものすごく指をソフトにして、紙の軽さのように力が抜けたうえで、音色の変化を小さな音から作っていくので、弾きこなすまで難しいのですが、そこには、私の心に、いろいろ思い当たり、今までの経験から身に覚えのある、間違いのないSteinwayがありました。で、私の演奏を聞いてすぐ、これは決めるだろうと、工房の上司さんは感じたようでしたが、社長さんのジョークが、

“内田光子さんみたいに弾きますね、(笑)”
“残念ながら、名前だけ似てるんです、(笑)”
“わたしは、内田光子さんの調律をしたことがあるんだよね、(笑)”

 ともあれ、これで決定、契約書にサインしました。
 
 その後、友達と再会、翌日、近くのLudwigsburgへ遊びに行き、お城を見ました。

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 ドイツ最大のバロック宮殿

 
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 中には2つ、ものすごい劇場がありました。そのうちの一つ


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 ここの宮殿音楽祭は有名ですね

 訪れたピアノ屋さんのSteinwayも宮殿の大広間にありました。

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 この期間、Stuttgartの大広場では、ジャズ祭をやっていたようですが、

 
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 劇場の前の池の水上に、

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 夜になると、火がポツポツと、灯り、

 なんと、劇場の中の公演がスピーカーで外にいても聞けるように鳴っていたのには驚きました。
 チケットを買って中に入るほど気が進まなくても、外で、しばしの間、足を止めて聞く人達がいました。この日は、オーケストラと、オペラからアリアの抜粋をやっていましたが、文化を公共へ無料提供するっていいなー、と感じました。


 そして、まるで木が枝を広げているかの様な柱で支えられている、Stuttgart飛行場から帰宅。
 

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 ついに、Blüthnerとお別れの日が来てしまいました。

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 3本の足と、ペダルを外して、そりのような木の台の上に縦向けに乗せ、男性二人で、運びます。部屋から車まで直通で、簡単でした。

 ピアノ運送業者は、細い階段のところでも、うまくピアノを動かして、上まで運んだり、下までおろしたりしてくれますが、やはり、上になると、かなり苦労する分、階数があがればあがるほど、運送の値段が恐ろしく高くなっていきます。ピアノを借りて住む人は、当然のことながら、地上階の物件を探すと思いますが、なかなか見つからないのか、上に住んでいる人が多いです。

 家具の運送は、アパート解約の4日前でしたが、ピアノを運びだしたのが、アパート解約の日の朝だったので、最後の2日間は、何もないところにBlüthnerだけ残ったアパートへ戻ってきて、家の掃除や最後の用事をして、ヨガ用のマットの上に寝袋を敷き、Blüthnerと横に並んで寝ました。近くにホテルも友達の家もあるのですが、もう最後だと思うと、やっぱり、横に並んで寝たかった。。。。。

 そして、ついに、Dresdenに、住むところがなくなり、

 新しいCottbusのアパートへ戻ってくると、引っ越し屋さんが、洗濯機の水道への接続をしっかりしなかったので、お風呂場が水浸しになっていました。。。。。。。。

 ドイツの引っ越し屋さん、非常にスムーズに運んでくれて、よかったのですが、。。。

 他、想定外の問題が次から次へとおこりながら、

 ついに、

 14日に、物事の一番最後になって、Steinwayが到着しました。あんまり遠かったので、Stuttgartの工房から直行できず、まずは、ベルリンの倉庫に行ったようです。
 ドイツ中にピアノを運んでいる運送業者、piano expressだったので、ビックリするほど大きな(家の引っ越しで使うのより大きな)トラックに何台もピアノを積み、あちこちへ運びながら、Cottbusに回ってきました。結局、工房出発から到着までに、一週間かかりました。

 そして、ピアノを運ぶときに使う、ピアノの大きさに合わせて作った、そりの様な台も、Stuttgartまで、また持って帰るのは大変なので、ピアノを返すときまで、うちの地下の倉庫でお預かりすることになりました。


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 前のアパートでは、ピアノの周囲と、弾くときの椅子の周辺がすごく狭かったので、不満だったのですが、今度は、斜めに置いて、広々と弾けるようになりました。


 
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 これから、Steinwayは、どんなことを、教えてくれるか楽しみです。

 
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 M-170で、50歳ぐらいのピアノですが、弾いていて、タッチ、音色とも、全く古い感じがしない。見たところ、すごく綺麗に直してあるようです。

 Steinwayともなると、Steinwayの特徴を保たせながら、一生懸命、新品のように直すのでしょう。


 
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 フェルト部分が、今度はエメラルドグリーン、なんだか、美しく、不思議でもある、色の取り合わせです。