何も思い出さないように
まだ赤ちゃんは私のお腹にいるから、少しの時間だけど楽しく過ごしてあげたい。
泣いてる声じゃなく、笑ってる声を聞かせてあげたい。
パパの声。ママの声。お兄ちゃん達の声。
赤ちゃんが1人で不安にならないように。
精一杯の愛情を注ぎました。
旦那も、お腹を撫でてくれました。
きっと、赤ちゃんは喜んでくれているはず。
2月6日。
手術の日。
ついにこの日が来てしまったんだ。。。
イヤだ。
イヤだイヤだイヤだイヤだ。赤ちゃんと離れたくない。この数日間、たくさん愛情を注いだから、だから生きてるかもしれない。
私の中から、赤ちゃんを出さないで。
病院に向かう車の中。
シーンとした車内。
私の心の声が聞こえてしまったのか
旦那が何も言わず
そっと私の手を握った瞬間に
我慢していた全てのものが爆発してしまった。
声を出して泣いてしまった。
『赤ちゃんと離れたくない。赤ちゃん、ママのお腹にずっと置いとく!!!出したくないよぉぉ!!!』
無茶苦茶な事だと分かってるけど、
でもこれが本音。
私の手を握った旦那の手が、優しく私のお腹を撫でる。
“ごめんね。また戻っておいで。ありがとう、ひとまずさよなら。”
何も口にはしないけど、パパの心の声がお腹に伝わり、私は駄々をこねる小さな子供のように大泣きした。
パパ。
私は母親として、あなたの大切な赤ちゃんを守ってあげれなかった。
ごめんね。
お兄ちゃんとお姉ちゃん。
せっかく兄弟が増えるはずだったのに。逢わせてあげられなくて、ごめんね。
赤ちゃん。
あなたがお腹に来てくれた時。両手をあげて心から喜んであげられなかった事、ごめんね。一瞬でも、あなたを産む事を諦めてしまって、ごめんね。ママ達は、またあなたに戻ってきて欲しい。次は、心の底から喜んで、大切に大切に守るから。約束するよ。
私を母親に選んでくれてありがとう。
最後の最後に、医師にお願いして赤ちゃんをモニターごしにみせてもらいました。
前回見た時は、手足がハッキリ見えていたけど、今日は形がハッキリしてなくて、何となくボヤけて映っている。
もう赤ちゃんが柔らかくなり始めているからだと医師から説明があった。
ホントに死んでるんだね…
ごめんね
ごめんね
ごめんね
麻酔が効いて意識が無くなる直前まで、赤ちゃんに謝り続けた。
