くどうれいんさんの本、というよりエッセイ全般を読んでいると、その作者と話しているような気になりますよね。なると思います。


ですがこの会話は、あくまで自分から起こす、能動的なものです。


決してくどうれいんさん側が勝手に話しかけてくることはありません。




でもたまには、くどうれいんさん側からも話しかけてほしい…。


くどうれいんさんと友達になれたらいいのですが、そんなこと言い始めるといよいよ何いってんだって感じなので、せめてその感じだけでも味わってみましょう。


感じだけでも!!!!!!!!!!!!!!!








        

       むかしやった版画






具体的にどうするのかというと、日常生活で

「も〜、どうすればいいのよ〜」って気分になったときに、くどうれいんさんの名文を思い出すのです。


そうすれば、困っている自分にくどうれいんさんが助言してくれているような気分になって、友達っぽい感じになるんです。





実践①



あ〜、どうしよう………。


明日が締め切りの課題、全然できてないよ…。


提出できなかったら、進級できないっていってたよなあ…。


もう〜どうすればいいのよ〜。





「うどんの看板のように単純で、このオーケストラみたいに壮大な人間になりたい。なりたいから、これからなろうと思う。」



(くどうれいん『虎のたましい人魚の涙』収録エッセイ『うどんオーケストラ』より。芥川賞候補に選ばれたことをきっかけにのしかかる、様々な負担や言葉に苦しみ嗚咽するくどうれいんが、思い悩みながらも筆を進めることを決意する名文)





確かに、そうだよなあ…。


よし、なんとか提出できるよう、死に物狂いで頑張るぞ!








実践②



あれ?


あのイヤホン、もしかしてどこかで落としちゃったかな?


うわぁ、あれ結構高いイヤホンだったのになあ…。


もう〜、どうすればいいのよ〜。





「つらい経験の何もかもが最終的には笑い話になってしまう。つくづく私の人生は、行ったり来たり交差をしたりしながらも、どの線を選んでも全部当たりのあみだくじだと思う。」



(くどうれいん『うたうおばけ』収録エッセイ『一千万円分の不幸』より。くどうれいんが受験生時代に体験したありえない事件すらも、時間が経てば笑い話になっていくという、前述のエッセイ『うどんオーケストラ』ともつながる名文)






そうだよなあ。


イヤホンくらい、また買えばいいよなあ。







成功!



適当にいってたんですけど、本当に「名文」って言葉あるんですね。


そりゃあるか。