宝物 | もうひと花咲かせます

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『妻が夫を捨てるとき』の花子と息子吾郎の
その後・・・のおはなし

子供ってかわいいね。

どんなにダメな母親でも、全身で愛してくれる。

全身で求めてくれる。




私はかつて、義実家で同居をしていたことがあります。

同居のきっかけは、元夫の借金でした。

借金を肩代わりしてもらう代わりに、義両親と同居することになったのです。




私がつくった借金じゃないのに、自分の心に全く反して、義両親との共同生活を余儀なくされた。

だけど、私は一生懸命でした。

恩義のある両親に対して、一生懸命に尽くしたつもりでした。




でも、所詮他人ですからね。

同居は、並大抵の苦労ではありませんでした。




朝早くから夜遅くまで、元夫は家にいませんでした。

なので、義両親と私と吾郎の4人だけで食事を取る毎日でした。

私をかばってくれるはずの夫は、いつも家にいない。

私の精神状態は、いつもピーンと張り詰めていました。




さらに、私の苦労をよそに、元夫はまたこっそり借金を始めました。

この頃の元夫の口癖は、「家賃が要らないから、いいじゃないか。」でした。




私は、もう限界でした。




あるとき、義両親と私の間で揉め事が起こりました。

それをきっかけに、私は、同居解消を懇願しました。

元夫もそれに賛成してくれていました。




しかし、義両親は猛反発。

約束が違う、そんなこと許されるわけがないと。




義母が私たち夫婦の部屋に入ってきて、私を悪い嫁だと罵りました。

そのときですビックリマーク

吾郎が、義母の肩を思い切り押し倒しました。





「ママをいじめるな!

おばあちゃんがそんなだから、ママが病気になっちゃうんだ!」





この頃の私は、体調がものすごく悪く、あちこちの病院に通っていたんです。





「子供までてなづけて、よくもまぁ。」





義母は、それ以上は何も言えませんでした。





このとき、吾郎は幼稚園の年中さんでした。

5歳ですよ、5歳。





元夫も同じ部屋の中にいましたが、隅の方でふてくされて横になっているだけでした。





私は心の底から、吾郎を愛おしく思いました。

私を全力で守ってくれたんです。

私の味方はこの子だけだ・・・そう思いました。

とても嬉しかったし、この子を産んでよかったと心から思いました。




あれから何年か経ちましたが、今も吾郎は私のそばで私を支え続けてくれています。

きっとこれからも。




私には、この子がいれば何も要らない。

あのとき、5歳の吾郎が取った行動が、いつも私のことを勇気付けてくれます。




子供にとっては、どんなダメな母親でも、たったひとりの母親なんですね。

もちろん、母親にとっても、どんなに出来の悪い子でも、たったひとりの子供なんです。




親も子も、互いに相手を選べないけど・・・

私は、吾郎にめぐり合えて本当によかった。

これからも、吾郎の愛情に精一杯こたえて行こうと思います。

本当に本当に、こんな素敵な宝物を私に与えてくださった神様に感謝したい。




ま、ついでに、元夫にもね。

吾郎の父親ですから。

宝物を得るために結婚したのだとしたら、失敗だったと後悔することもないですしね。



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