町田市立国際版画美術館 | ここはいいところ

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「ここはいいところ」の「ここ」は私が行った場所であり、人生の一場面でもあります。
人生という旅のなかで、自分がよかったと思ったところやことを記録し、人に伝わればいいなと思います。
1か月に2~3回は新しいブログを書きたいと思います。

 7月24日に町田市立国際版画美術館へ行きました。目的は企画展「幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻」を見るためです(6月1日~9月1日)。企画展の名称に、「版画家」以外に「幻想」「フラヌール(遊歩者)」「夢」「現」「幻」という言葉が連なっていると、私にとっては大いに魅力的です。また、何故この日かというと、期間中3回、65歳以上の高齢者が無料になる日があるからです。

 ホームページの「展覧会概要」とパンフレットの「はじめに」はほとんど同じですが、「展覧会概要」のはじめの部分は次のような文章です。「展覧会概要」には記名がありませんが、「はじめに」には「藤村拓也」とあり、調べると同館の学芸員であることがわかります。

 「ときに鏡にたとえられる版画は、作者の夢想と見る者の願望を如実に映し出します。版面/紙面の不可思議なモチーフや奇妙なフォルムは想像力を否応なく刺激し、見慣れた現実をも幻想の世界に変容させる版画家たちの精神と手業は既成の概念を揺り動かし、私たちを別の世界へといざなうかのようです。/独自の世界をさまよう〈フラヌール(遊歩者)〉ともいうべき版画家たちの作品は、過去や私たちの内に眠る原初的な記憶を呼び起こしながら現実世界の可能性、すなわち未来の姿をも浮かび上がらせる力を秘めているといえるのです。」

 

 この文章は同美術館の企画展のページの「展覧会概要」から引用したものであり、構成や出品の作家なども紹介されています。この方、パンフレットの方ではさらに魅力的な文章を書かれています。

https://hanga-museum.jp/exhibition/index/2024-560

 

 写真を撮ってもいい作品もありますが、チラシを紹介します。

 チラシ裏、左上部の星野美智子の「バベルの図書館‐詩人の薔薇」というリトグラフにはボルヘスの横顔が組み込まれています。チラシ裏の柄澤齊の作品の少年はランボーです。バタイユの『眼球譚』や『マダム。エドワルダ』の挿絵を描いたハンス・ベルメールの作品もあります。それぞれの作家の、夢や作者を通した<現>、記憶や幻想という世界には大いに刺激を受けました。

 

 この美術館は芹が谷公園の一角にあり、子どもたちが水遊びをしていました。