私の俳句:2021年8月 | ここはいいところ

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「ここはいいところ」の「ここ」は私が行った場所であり、人生の一場面でもあります。
人生という旅のなかで、自分がよかったと思ったところやことを記録し、人に伝わればいいなと思います。
1か月に2~3回は新しいブログを書きたいと思います。

 2021年8月に印刷物等に掲載された私の俳句の一部です。

 

『角川俳句』2021年9月号「令和俳壇」 対馬康子先生選佳作

  梅雨寒や尻尾の骨が疼き出す

 

『麦』2021年9月号(麦の会 2021年9月1日発行…8月下旬送付)

「地熱集」対馬康子会長選(7句出し最高5句選)

  深呼吸あなたの肺は夏色に

  蚊帳吊れば濃密になる夜の息

  過去の街海市に立つと古老言う

  痛みさえ美しく詠む人の夏

「原生林」斉田仁先生選(5句出し3句選)

  青春はとっくに忘れた修司の忌

  ライバルはいつも自分や梅雨の空

  我もまた一人の大衆ビール注ぐ

「誌上句会」(テーマ「海岸」)(佳作…多分投句は皆佳作)

  夏の宵岸辺のない海あるという      ……※1

「句会報」「麦例会通信句会」7月分 対馬康子選特選

  AIの愛が欲しくて氷菓食う         ……※2

「句会報」「かもめ俳句会」263回

  梅雨空や海の上行くロープウエイ     ……※3

(麦創刊)75周年作品集(『麦』編集部編…同人になれていない「誌友会員」も載せてくれていました)

  細胞の中まで朧満つる夜

 

『現代俳句』8月号(現代俳句協会 2021年8月1日発行)

「研修部・俳句教室」第430回現代俳句のつどい  

  初夏が嬉しくて顔さらけ出す       ……※4

 

『俳句界』8月号(文学の森 2021年8月1日)

「神奈川県現代俳句協会横浜吟行会報告」の記事

  初夏やモンローウオークするキリン      ……※5     

 

※1 『岸辺のない海』は金井美恵子の美しい装丁の小説(中央公論社 1974)

 

※2 麦の会例会はコロナ禍による社会状況のなかで通信句会になっていますが、会長が選をするだけなので、私にとっては実験的な句を出しやすい場になっています。この句は「会長、こういう句は採りますか」という問いとともに出しました。特選をいただき、こちらが驚きました。

書名を入れた句としては、昨年5月、『麦』の地熱集に次のような句を投句し、採っていただき、驚きました。本は塚本邦雄の歌集です(審美社 1973)。

  歌詠みの薔薇の蕾に『眩暈祈祷書』

 

※3 神奈川県現代俳句協会で吟行会が6月にありましたが、それは桜木町駅周辺から野毛町、野毛山公園にかけてでした。桜木町駅の東側から明治時代の埋立地である新港地区へとロープウエイが4月22日に運行開始しました。新港地区には、赤レンガ倉庫、よこはまコスモワールド、カップヌードルミュージアム、そして、JICA横浜には海外移住資料館、海上保安庁の基地などがあります。尖端には横浜ハンマーヘッドがあり、現在、横浜市のコロナワクチンの集団接種会場になっています(私はここで打ちました)。

https://yokohama-air-cabin.jp/

 

※4 毒を入れたつもりでしたが、何の毒がわからなくなってしまいました。いずれにせよ、生きて初夏を迎えられたという喜びではあるのですが…。

 

※5 吟行会で行った野毛山動物園にはキリンの親子がいますが、親のキリンの歩き方はモデルがランウエイを歩くかのように腰を振り振り歩きます。それは色っぽく、魅力的です。

 

写真は『岸辺のない海』と『眩暈祈祷書』です。