『神通力』
如来に示して神通力とは言わぬなり。
そは如来神力品と言うが如くして、また摩訶毘盧遮那成仏神変加持経と言うように、神通を示して神変加持とは言うなり。
すなわち、菩薩に神通力と示して、神と通じる力となすに、如来は神力と示して神の力と教えるなり。
ゆえに円教一円成就を証金剛身と教えて、成身大慧成就にして本末究竟の体を教えるなり。
すなわちこれ菩薩より、仏となって神と成る事を実と示すと言うなり。
ゆえに成身の仏は神仏にして神とはこれを教えるなり。
神と仏これを違えて上だ下だの争う事の愚かをここに示すなり。
仏の事を天はアディダァヴァ(天中の天・神中の神)と言い、ダアヴティダアヴァと言い、超神とも言うなり。
アディダアヴァすなわち神々を超えた神ゆえに超神と教えるなり。
されば、仏をして神と別けて考えるのは、誤ちなると知る事なり。
月氏釈迦は悟り覚めて開眼し、智慧を最上天と極めて、太陽たる摩訶毘盧遮那遍一切處、大日如来と一如至りて神・金剛と生まれるなり。
ゆえに天衆から讃えられて『摩訶毘盧遮那遍一切處と生まれたもうなり』と歌をもって祝福されたのである。
『阿伽尼恚咤天・アカニシッタテン』
無上最上天の事をアカニシッタテンと言うなり。
この大光明天を極めて、我は毘盧遮那遍一切處といたり大日如来一如となるなり!
太陽の法嗣
大日 天光子
合掌