こんにちは。
子どものための ふるさわピアノ教室 古澤智子です。
私の教室は子ども専門なので、子どものレッスンをたくさんしています。
子ども―特に小学3年生くらいまでの生徒さん。レッスンでの様子は本当に興味深いです。
特に私が投げかけた問いに答えようとしている時。
私が「~はなんでしょうか?」と質問すると、中には
「ちょっとまって~!」と言われることも。
そんな時は
「はい!待ちますよ」と、ゆっくり待つことにしています。
その間、生徒さんをじっくり観察しています。
特に、目の動きや、声に出さなくても何かつぶやいている様子など
その後に出てくる答えをどうやって考え、導き出しているのかとっても気になります。
例えば「これ、何の音?」と聞いた時・・・
長い間たくさんのお子さんのレッスンをする中で、「これは、何の音?」とドレミで答えて欲しい質問をしたとき、時間がかからず答えられる人と、時間が掛かったり、まちがえる確率が高い人がいます。
同じように教えているはずなのに、なぜかしら・・・
と、若い頃にはそれ以上深く考えたことがなかったのですが、
ある時、5線の音の読み方に何通りかタイプがあることに気が付きました。
「これは何の音?」
に答えようとする、生徒さんの視線の行方や数えたりする様子を観察したり、また答えに対して「どうやってこの音が△だとわかったの?」と尋ねるようにしました。
答えが、合っていても間違っていても です。
生徒さんたちからもらった答えはとても興味深く、その行動と共に
まちがえやすい生徒さんにはどんな助言をしたらよいのか
を考える材料となりました。
「見たら、なんとなくわかるよ」
という答えが一番良いのですが、そうでない場合も少なくありません。
例えば、いつも真ん中のドから順に数える生徒さん。
初めて知る五線上の音符が『真ん中のド』なので、そこから数えるのはある意味自然なこと。
楽譜に指先を当てて小さな声で 「ド、 レ、 ミ ・・・」 と数えているのが分かります。
でも、高いソになると道が遠いので、時間がかかったり途中でずれたりすることも。
↑↑高い ソ は、遠い💦
こんな時は
ド・ミ・ソ・シ・レ
のように一つ飛ばしに読むといいよと伝えます。
他の目印を覚えるのは、もっと効率的
↑↑例えば高いドを目印にすると便利
ヘ音記号のこの音を答えてもらうと、かなりの確率で ミ と答える生徒さんも時々見られます。
五線の音を習い始めて1年くらいまでの生徒さんによくあります。
真ん中ドのすぐ近くで、線の音は ミ と思っている場合もありますが、多くの場合ヘ音記号の音を真ん中ドから読むときにド→シ→ラとなる所をド→レ→ミと読んでしまっています。
↑↑音が下がっているのにドレミと、逆方向に読んでしまう
このタイプの読み方をする生徒さんには、
音符の位置が上がる=音が上がる=ドレミファ~と進む
音符の位置が下がる=音が下がる=ドシラソ~と進む
を読むたびに確認すること。
↑↑時にはグッズも出します
そうそう、指番号を音と直結させて読んでしまう生徒さんも、以前は結構な割合でいました。
「これ何の音?」
と聞くと
「3!」
と思わず答えてしまうのです。
これは、使用する教本によることが多いです。
そのケースには、教本の指番号を修正テープでほとんど消してしまいました!
他にもいろいろなケースがみられ、全部書いていたらなかなかの文章量になりそうです(笑)
レアケースでは、音符の縦棒の先の位置を見て判断している生徒さんがいました。
これにはびっくりしました!
一度もそんなことは教えたことがなかったのですが、「自分なりの法則性を見つけた」と思ったようでした。
どんな道をたどったとしても、五線上のドレミが読めるようになることは、ピアノに限らず楽器を習得して楽しむのには、大切な力となります。(もちろんリズムを読むのも大切)
五線上の音を読むのに、『これで簡単に読める!』といったタイトルのSNSを見かけたりもするのですが、
基本を教えた後はその生徒さんのクセや様子をよく見てそれに沿った助言や指導をするのが生徒さんにとってストレスの少ない方法かなと考えています。
指導には観察が大事ですね。
ですがそんなことは意識しなくても、小さい生徒さんの言動を観察をすることはとても楽しく、この仕事の特権だと思っています♪