OH,MY GOD !(前回の続き)
ライト・アップされた白亜のシ―ザ―ス・パレス。
その向こうにはミラージュ。
女が私を呼び寄せようとしたデザート・インは
さらにそのまた先である。
ハテ、新手のコール・ガールにしては謎が多すぎる。
客に呼ばれるのではなく客を呼ぶという発想は、
まあ大したものだけれど。
8000スクエアーフィートのスイートで
あるかどうかはともかく、
女はデザート・インのどこかの
ゲスト・ルームに住みついて、
こうした手の込んだ商売をしているのだろうか。
そこからまったく当てずっぽうに、
よそのホテルのスイートに電話を入れ、
スロット・マシンのジャック・ポットが出たので
祝福してくれと言って呼び寄せる。
ハイそうですか、と
ノコノコ出かけて行く男はそういないだろうが、
通信販売のダイレクト・コールのつもりで
電話をかけまくれば、
中には物好きの一人や二人は現れるかも知れない。
たとえば、
他人の話を額面通りに受け取るアメリカ人。
助平心が猜疑心を凌駕する日本人。
怖いもの見たさのイギリス人。
通りいっぺんの道楽には飽き飽きしているアラブ人。
しかし、どう考えても納得いかない点もある。
べラッジオのセキュリティは、
ゲスト・ネームも告げずに当てずっぽうの
ルーム・ナンバーで電話を取り次ぐほど甘くはないのだ。
だとすると女は、
少なくとも私の名前を知っているという事になる。
続く。