経験の示すところでは、成功するかどうかはその人の能力より情熱の負うところのほうが大きい。自分の仕事に身も心もささげる人間こそ勝利者となる。
チャールズ・バクストン
人生への向かい合い方
ギャンブルを一定のシステムに基づいてやれば必ず勝てるのではないか、という考え方は、歴史上有名な理論家、ガリレオ・ガリレイ、ブレーズ・パスカル、ポアンカレ、ダランベールの理論書をはじめ、数学、運勢額、天文学と多方面で研究が行われていて、枚挙にいとまがない。これをシステム戦法といい、古典的なものから最新の発明までさまざまなものがある。だが、アメリカのブラックジャックのグルと呼ばれ、「ブラックジャックの診療所」という学校まで開いたギャンブル専門家、ジェリー・パターソンは、専門的な研究ののち、「いかなるシステムも勝ちを保証しない」「いかなるシステムも長期的にはカジノ・エッジ克服することはできない」と結論している。だが、パターソンもシステム戦法の効用は認め、１，ギャンブルを興味深く、刺激的なものにする、２，同じ金額で最大限楽しめる。３，ときにプレイヤーを勝ち運に乗せ、勝って帰ることを可能にする。の三点を挙げている。これらのシステム戦法は大別すると「どちら側に賭けるか？（フイッチ・サイド？）」「どれだけ賭けるか？（ハウ・マッチ？）」の二種類となる。
当方の必勝システム戦法はこの悩ましい『二種類』を同時に解決した手法である。
私は、男だろうと女だろうと、暮らしをたてるために働かねばならぬ人々を気の毒だと思ったことはない。しかし自分の仕事に打ち込めない人間は、大いに気の毒だと思う。若いうちに自分の好きな仕事を見つけて、青年のような情熱を一生傾けることができなければ、その人にとって一生の悲劇だ。
デール・カーネギー