キッチンの隣に陶器製で大き目の洗い桶がある。学校や公共施設等の洗面所の隣にあった分厚い陶器の流しでになる。雑巾を使った清掃や、麺類の茹で汁を廃棄したり冷したり、収穫した野菜を水洗いするのに役立っている。排水口を100均で求めた白いボウル(桶)で塞いでいるのだが、そのボウルに黒いスジが付着していた。ゴキブリの残骸である。日常的に見かけるのは網戸に黒いごみが付着している。それはゴキブリの残骸とみて舞違いない。

 

高齢者の生活は夜の9時を過ぎれば就寝に入る。照明が落ちキッチン周辺は夜の世界へと主人公が入れ替わる。チョロチョロとゴキブリ達の出没だ。といいたいところだが最近は夜の主人公が我が家を闊歩する光景は少なくなったように思っていた。ゴキブリの天敵であるアシタカクモの姿をしばらく見ていないからだ。一見すると大きな毒グモ(タランチュラ)のようだ。しかもゴキブリよりも俊足で、初めて見ると「ギョ!」と体が反応する。千葉に戻ってきてこのクモの存在を知ることになる。

元々は東南アジアで棲息していた種であったが、南蛮貿易の頃に渡来したらしく、外来種ではあるがその歴史は古い。という訳で、どうやら夜の世界が賑やかに戻ったということらしい。

 

そもそもゴキブリの存在はシンク周辺に黒い粒のようなゴキブリの糞があるかどうかで確認できる。また通り道は引出しの隙間となるアルミの淵と決まっているので、その辺を確認すれば存在の有無を確認できる。そのゴキブリチェックが1か月以上クリアであった。2~3日前にアシタカクモが網戸に張り付いているの確認していた。ゴキブリが入った?というサインでもある。という訳でゴキブリの姿は見るまでもなく早々と退治されてしまったようだ。

 

現代の家屋は気密性も高い。一見するとゴキブリが侵入できる隙間はないように思われる。一般の侵入経路である排水口を遮断してもゴキブリは窓を開けて入ってくる。網戸のレールには僅かな隙間があり、こじ開けて入ってくる。アシタカクモも同様にして入ってくる。ゴキブリは定住をするがアシタカクモは食べつくすと隣の家へと狩場を移動する。多い時は一日に数匹のゴキブリを食べている。見た目は悪いが実に優秀な夜の世界のハンターである。

 

主役をゴキブリに戻す。明るい未来では宇宙ステーションで無重力に適応し世代交代による最長滞在記録を作るかも知れない。暗い未来ではAIデータセンターがゴキブリの巣窟になるかも知れない。明暗の未来を予測するゴキブリという存在は無視できない。