昨日は天気も晴れたので一週間ぶりに飯岡海水浴場から矢指が浦海水浴場までの九十九里浜自転車道を散歩してみる。波打ち際を歩くことも取り入れながら往復7キロ休憩を含めて2時間の散策になる。昼過ぎで満潮時間と重なったこともあるが、はるか2000キロ離れたフィリピンの東の海上を移動中の台風9号の影響で消波ブロックを越える波が押し寄せていた。台風のエネルギーには感心するばかりである。とうてい人間の力では断続的に押し寄せる波を作ることなどできない。これも太陽が海水と大気を温めてつくる熱循環エネルギーの凄さというものだ。

我々は太陽エネルギーが生み出した有機物をさらに過去数億年という時間を費やして得た化石燃料に多くのエネルギーを依存している。再生可能エネルギーなどと称して一部では太陽光や風力によるエネルギー生産を唱えているが、所詮は化石エネルギーがなければ実現できないインチキである。コントロールできはしないが台風のような実に巨大でしかもタイムラグのない太陽エネルギーを遠い未来に得ることが可能になるかもしれない。もっともその時には水素から鉄までは原子結合によって資源を得るようになっているだろう。そこまで人類は繁栄をし生存しているか。答えは何となく分かっている。

 

海岸はやや強めの南東の塩風が吹いていた。湿度も高いのでベタベタと体にまとわりつくようである。血圧が低めの私にとっては少しダルさを感じる苦手な空気といってよい。そんな風に向かってカラスが地上に立ったまま翼を開いて潮風を受けていた。飛ぶことを忘れたかのようである。というよりも飛ぶ必要がないのだ。

海岸へ流れ込む排水には多くの有機物が混ざっている。排水路に面した波打ち際の砂浜は、砂に含まれる有機物を漉しながら捕食しているカニたちにとっては食糧の宝庫といってよい。満潮時は海水に浸るが干潮時になるとカニ穴から残飯の砂をセッセと穴の外に運び出す。そんなカニ穴は放射状に置かれた砂粒の芸術作品で非常に目立つ。条件の一致する波打ち際ならカニ穴は数多である。こそにカラスがいる。きっかけは偶然だろうが確認した数では5羽のカラスが定住している。静なるものには反応しなくても、動なるものには敏感に反応する。動物の本能だ。巣穴に芸術作品があればカニはいる。軽いカラスなら砂浜に圧力も振動も与えない。カニが出てくるのを待つだけで捕食できてしまう。カラスも省エネの技術を身に着けた。しばらくは大空を飛ぶ必要がない。