ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』

その7


『一人と二人の夜のものがたり』

写真・文by ronji


だいじな楽器を質草に
私に金を貸して欲しいと頭をさげるあなた
嘗て私の全てはあなたのものだったのに
おたがい年をとったのね

そうしてあなたはいいひとと逃避行に行ったきり
そのむかし 私より音楽を選んだあなたが
たったひとつの財産を置いて連れ立ったおんなを
私は想像しています

いつまでも二人おしあわせに
でも私より良い夢をみては駄目よ


『一人と二人の夜のものがたり』文by 70rock


たったひとつの夢を
質草に置いて逃げた僕に
どうして君より良い夢を見られるはずがあるだろう。


黒い夜が僕の昼までをかみ砕く。


そのむかし、
愛よりも音楽を選んだときは
そばにギターがあるだけで生きていける
夢があった。


いまでは遠い夢のような
夢のように幸せだった

一人だけの夜が。

私70rockと冷やし蜥蜴寫眞館 のロンジさん

とのコラボレーション、

ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』の第3回です。


月曜の夜にロンジさんの写真と文章をアップ。

その写真と文章に触発されて私の灰色の脳細胞に生れた言葉を書きつけ

1枚の写真と2つの文章を週末の土曜or 日曜に再アップします。


その1『指輪』

その2『紫陽花』

その3『装置』

その4『Nine Lives』

その5『残暑』

その6『横浜ベイサイド』