ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』


その6『横浜ベイサイド』

写真・文by ronji


初めて訪れたショッピングモールで
わざとはぐれてみたのです
私を捜すあなたの焦った顔が見たくて

それなのにあなたは
ショウ・ウィンドウの向こうの冗談みたいな革靴に見惚れていました
なんだか引っ込みがつかないままあなたの手をそっと握る私に
「待ってた」と云うあなたは
きっとほんとうは誰も待たないのでしょう



『横浜ベイサイド』文by 70rock


ショウ・ウィン:ドウの奥の

時計の針が

獰猛に時を刻んでゆく。


君がいない世界。
それは

なんという地獄だろう。


正午の光がまっすぐ君に降り注ぐベイサイド。

永遠に君を失ったと知るよりは

永遠に君を待っていたほうがいい。



私70rockと冷やし蜥蜴寫眞館 のロンジさん

とのコラボレーション、

ロンジ写真館『蝶の眼薔薇の声』の第3回です。



月曜の夜にロンジさんの写真と文章をアップ。

その写真と文章に触発されて私の灰色の脳細胞に生れた言葉を書きつけ

1枚の写真と2つの文章を週末の土曜or 日曜に再アップします。



その1『指輪』

その2『紫陽花』

その3『装置』

その4『Nine Lives』

その5『残暑』