Dさんは施設にいる時から一人暮らしをしたら紅葉を見に箱根へ行きたいとずっと言っていました。
9月も半分が終わり後半に入った時にDさんから来月箱根へ行きたいんだけど付き合ってくれる?って言われました。
自分は大丈夫ですけどシフトを決めるのは事務局なので自分からは言えません。それといつもの交代時間の16時も変えてもらわないと行けません。と答えると、じゃあ、これから事務局に行って僕が話をするよ。と言ってくれました。
その前に日にちを決めないといけませんね。と言うと10月14日に行きたいと言うことでした。
いくら箱根でもさすがにまだ早いのではないですか?と聞くと箱根は山だから大丈夫!と言うのでDさんが決めたのだからその日にしました。
事務局に行ってその旨をDさんが話をして了承されました。
ヘルパーの交代は18時になりました。
しかし、やはり事務局のみんなからもまだ早いんじゃないかと言われてしまいました。
そのあと、ロマンスカーの切符を買いに新宿駅へ行って準備は整いました。
当日、東京は朝からものすごく良い天気で暑いくらいでした。
新宿からロマンスカーに乗り1時間半で箱根湯本へ。
Dさんも車椅子を降り座席に座り大喜びでした。
箱根もぴーかんで湯本から見上げても紅葉はなさそうです。
箱根登山鉄道に乗り強羅へ。
強羅からロープウェイに乗るのかと思っていたら強羅公園に行きたいと言ったので駅の案内板で場所を確認した。
歩き始めてすぐに右へまっすぐ行けばいいみたいでわかりやすかった。
歩いてすぐ右を見るとそこはてっぺんが見えないものすごく急な坂道でした。
こんな坂道は今まで登ったことはなかったしてっぺんが見えないので距離がわからない。
必死になって登り始めた。
Dさんは痩せついて重くないし車椅子も小さく軽いのに一気に汗が吹き出した。
着ていたアウターを脱ぎTシャツ一枚になって押し続けてやっと上まで登り切れた。
登り切ったところに目的地の強羅公園があった。
しかし、入り口の門の前に7段ほどの階段があった。
門のところにチケット売り場があり、そこで車椅子なのでどなたかおひとり手伝ってもらえませんか?と声をかけたがチケット売り場のおばさんにそういう人はいません!と断られた。
はぁーん?と思い食い下がろうとしたがDさんを見ると首を振っていたので文句を言わずに戻った。
どうしますか?と尋ねるとたまたま公園の向かいにカフェがあり、ここでご飯食べよと言われたので入った。
あいにく店内は満席だったのだが天気も良いのでテラス席で食べることにした。
お店の店長さんもアルバイトの女性もとても親切で気を遣ってくれイヤなことを忘れさせてくれました。
食事が終わり、このあとはどこへ行きますか?と尋ねると箱根湯本へ戻ってお土産を買いたいと言うので帰りのロマンスカーまでの時間を湯本で過ごすことにした。
そうだ!その前にまたあの坂道を今度は降らなければいけないんだった。
さすがに車椅子を押しては下りれないのでバックで車椅子のブレーキを握りながらゆっくりゆっくりと降りた。
降りた時にはまた汗びっしょりで涼しくなってきた箱根登山鉄道の中でただひとり自分だけが汗をかきTシャツ一枚だった。
湯本でロマンスカーの時間まで過ごし家路に着いた。
結局、紅葉は見れなかったけれどDさんは楽しかったみたいで帰りのロマンスカーの中で笑顔でいろんなことを話してくれた。