深夜、布団に入ってうつらうつらしていた時、ふっと母の在りし日の姿が脳裏に浮かんだ。その後、母の体は炎に包まれ、灰になってしまったところで覚醒した。

誰しもが最終的に通る道。けれども、数十年間も目にしてきた母の姿が、今は痕跡を残さずに無くなってしまったことを突き付けられて、胸がギュッと鷲掴みされたように苦しかった…。

もう触れたくても触れられない、この言い様のない事実を思う時、胸が張り裂けそうになる。

こんなに悲しい思いは忘れて去ってしまいたいけれど、私の中で母への思慕が消えない限り、永遠に続くんだろうな…。


寒い寒い日々が続いてる…。

二年前、闘病中で気軽に出掛けられなくなった母に似合いそうなフリースやベストを買って行ったら、気に入ってくれてほぼ毎日着てくれていた…。

それらの洋服を、今は私が代わりに着ている。見る度に悲しくて切ない気持ちになるけれど、母が身近に居るような気分にもなれる。

いまだに、母に似合いそうな洋服を目にすると、買いたい衝動に駆られる。母の喜ぶ顔を見ることが、私の楽しみだった。

先日、父から「そろそろ三回忌の準備をしよう」と言われた。法要、会食で使う会場、引き出物の予約をしなければならない。

こうして書いていても、涙が後から後から溢れてくる。約二年という月日が流れても、母への思慕が薄れることはない…いや、強まるばかり!ああ、母さんに一目でいい、会いたい…!


昨年は喪中葉書を作った、今年は年賀状を作らなければならない。父と私と姉の分で120枚もあり、面倒でたまらないが、重い腰をあげてパソコンへ向かった。

どんなに悲しくても辛くても、淡々と日々は過ぎ、今年も終わりに近づいている…。

そんなに親しくない高校の時の同級生から喪中葉書が届いた。お母様を9月に、お父様を11月に亡くされたらしい。ご両親を同年に相次いで亡くされてしまうなんて、彼女は相当肩を落とされているんではないだろうか…。

私にはまだ父が居る。疲れると言いながらもパートに、畑作業に、毎日動き回っている。でも、いつかは…事故だったり、突然死だったり、或いは母のように、具合が悪くなって病院に行ったら死の宣告を受けたり…ふいにやってくる事態が怖くてたまらない。

父が寝付いた今、リビングに独り…。目をつむると、母の残像が目に浮かぶ。母と二人、テレビを観ていた頃に戻りたくて涙を流す私…。冬はますます寂しさが募るから大嫌いだ…。