近隣での作業を終えて、事務所に戻る。

 後片付けを後回しにして、事務所に入ると、ホワイトボードに見入った。

 今後の予定が、1日単位で書かれている。

 京都、尼崎、奈良などの地名の中から、天草の地名を見つけた。

 「所長、それ誰が走るか決まってるの?」 

 ボクは聞いた。

 「まだ、誰にするか決めとらん。」

 いつも以上に、そっけなく返す所長。

 ボクが走りたがっているのを、知っていた。

 「おまえが行くけ?」

 当然という顔をして、ボクは頷いた。

 「正ちゃん、一緒にどう?」

 近くにいた正ちゃんも、当然という顔で頷く。

 正ちゃんは、2トントラックは運転しても、4トントラックは運転しなかったが、一番気をつかわなくてよかった。

 ツーマンでなく、ワンマン助手付き。

 全行程、一人で運転する。

 余程、時間的に無理がなければ、全然苦ではなかった。

 ボクは、今日使用したトラックに戻り、資材やゴミを片付けた。