少しずつ観光客が増えてきた。
外国人観光客よりも、修学旅行とおぼしき、新緑の木々に似た、若々しい生命力に満ちた学生たちが多い。
清水寺の方に歩いていく人は多く、まだ高台寺はひっそりと身を潜めている感があった。
喧騒を避けるように、一念坂を下る。
出町柳の方でも行こうと思ったが、この時期、貴船方面に向かうのは、涼を求めて芋煮鍋の中に入るような愚行だった。
結局、祇園に向かい、花見小路を抜け、四条大橋を渡った。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240617/06/6zyoumanopianoman/62/7a/j/o1021061115452492244.jpg?caw=800)
ここから、大宮の間は京都の繁華街であったが、錦天満宮の方に周り、錦小路通りから烏丸まで歩いた。
久しぶりにのんびりと、歩いてみた。
夕方、京都駅で、弟と会う。
高知をたつとき、土産を買うお金も持ち合わせていなかった。
そのくせ、いつも通り飄々と明日のことも考えていない自分に気づき、笑ってしまう。
東本願寺近くの安宿に泊まり、朝早くからブラブラしたことをいつも思い出す。
まだ朝の、人の少ない三十三間堂。
ボクの中の京都。
この世にいながら、あの世にいるような厳かな空間。