夜11時。

 両親を拾って、妻と4人で徳島に向かった。

 ボクにとっては、毎年恒例で、19歳の時から25歳まで、大阪に意味もなく、一人暮らしをしていたときには、南海電車で和歌山港に行き、和歌山港から船で徳島に行っていた。

 朝5時到着。

 ここ数年、おきまりになっている、24時間営業のファミレスに入る。

 妻はパンのモーニング、両親は2人で1つの和食のモーニング、そしてボクは生ビールと、他のメニューが気の毒になるほど、いつものお決まりだ。

 ファミレスの駐車場で、少し仮眠をとる。

 起きると、墓参りに行き、これもここ数年、すだちなどのお土産を買う、農協のスーパーに行く。

 「みはらしの丘あいさい広場」。

 相変わらず、開店直後から、お客さんが多く、少し遅いとカートさえなくなっている。
 1時間ほどで店を出ると、近くにある、前から気になっていた場所に寄ってみた。
 「旗山」。
 何でも、日本一大きい騎馬像らしいが、大きさより、何故此処に源義経像があるのかが、大事である。
 この際、ついでにともう一つ気になっていた場所に立ち寄る。
 「金長神社」。


 最近で言えば、有名なアニメ映画に出ていたタヌキ。
 阿波狸合戦で落命した金長狸を祀っている神社だが、宗教法人ではない。
 おじさんの家に行く前にもう一軒、定番の店に、買い物に寄る。
 「ルピア」。
 よほど、おじさんやいとこから、新しい情報が入らない限り、寄るところは決まっていた。
 ここにも、よく寄る。
 「マルナカ」。
 母親を連れてくるとどうしても買い物に行く回数が増える。
 お土産を買うのだが、少しでも貰ったり、世話になったりした人に、お返しを買うからだ。
 帰りの車の中は、荷物でパンパンになる。
 おじさんの家に行き、しばらくゆっくりして、ボクと妻は今晩の宿に行く。
 ボクもそうだが、妻もその方がリラックスできると思ったからだ。
 いつもは、阿波おどりを見るのを兼ねて、徳島市内に泊まるのだが、このときは、始めて阿南市に宿をとった。
 ここには、青色発光ダイオードで有名な大きい会社があるからか、駅も小綺麗だった。
 泊まったホテルは、チェーンホテルだったが、まだ比較的新しく、始めて見るものがあった。
 チャンネルを変えると、テレビに、朝食会場が映し出されるのだ。
 もちろん、ぼかしは入っている。
 これなら朝、無駄足を踏まなくていい。
 込具合が、部屋でわかるからだった。
 富山のあるホテルでは、チェックインのときに、朝食をとる大体の時間を聞かれ、エレベーターの中に手書きで、何時から何時まで何人と、表にして貼るところもあった。
 大阪のミナミで泊まったチェーンホテルでは、廊下に椅子を並べて食べたこともあった。
 許容範囲の出来事は、楽しい旅の思い出の1つだと思っている。