4日目。

 疎外感。

 いつも、いとこが集まると感じる。

 ほぼ、他の親戚は、九州圏内に住んでおり、おじ、おばが住んでいれば、その子も自然と行く機会が多い。

 それらの親戚は、ときおり顔を合わせてるので、和気あいあいとしているが、ボクたちは、まるで海外から帰国してきたかのように、他人行儀っぽくなってしまう。

 仕方ない。

 朝食を済ますと、「阿蘇神社」を見に行った。

 やはり、心が痛む。
 そのまま帰路へ………とは行かない。
 うちの母親は、ここで必ず「どっか一泊して帰ろ」と、親戚の家を訪れたあとは、必ずいう。
 今回、鹿児島しか、頭になかったボクは、また、頭の中で計算する。
 明日、京都に、夜、遅くならないうちに戻れる場所。
 温泉があり、4人1部屋で泊まれて、こんなときにしか行かない土地。
 そして、決めたのが、「和気鵜飼谷温泉」だった。




 別建物で、プールなどもあり、近所の日帰り客も多かった。
 阿蘇を出て、特別に休憩以外は止まることもなく、薄暗くなる頃に到着した。
 ホテルに入る前に、弟が近くのローソンに寄り、おつまみや父親の飲むワンカップ、スポーツ新聞、ボクたちの飲む缶ビールを購入した。
 ホテルに入ると、まずはひとっ風呂浴び、夕飯を一階のレストランに食べに行く。
 特別大したものはないが、1とおりはあり、4人、イスとテーブルで食べた。
 部屋で、ゆっくりと飲みたそうな弟を前に、ボクは閉店までレストランで飲んでいた。
 昨日までは、縁もゆかりも無い、山あいの町。
 無駄のない、味気のない、ホテルの雰囲気が、町の雰囲気と調和していて、心が和んだ。
 今度は、一番下の弟も連れてきたいなと思いつつ、部屋に戻る。
 部屋の窓から、すっかり暗くなってしまった山あいの町を見下ろした。
 どこに向かうのか、数台の車のヘッドライトが動いてるのが見え、それぞれの人たちの暮らしの明かりが、ポツン、ポツンと見える。
 さらっとした、気持ちの良い、布団に潜り込むと、いつしか眠りについていた。