夕方6時にホテルにチェックイン。

 お盆だからだろう、入口までの通路が、縁日のような子供が喜ぶ仕様になっていた。

 手はこんでないが、スタッフのサービスが伝わってくる。

 弟とは、京都駅で待ち合わせ。

 やはり、ここを起点に飲みに行くのが、一番楽だった。

 先斗町なども昔は憧れ、徘徊したが、美味いビールさえあれば、どこでも良かったことがわかった。

 弟と、京都で会って飲み始めた頃は、弟は弟で、あちこちの店に連れて行ってくれた。

 「壹銭洋食」もそうだった。


 記憶に残ってる店は多いのだが、何か落ち着かなかった。
 段々と、京都駅でサラリーマンが仕事帰りや出張で行くような店に腰を据えた。
 そして締めは、駅ビル10階にある徳島ラーメンに瓶ビール。
 今となっては、弟も妻もいないので、また誰かと行けるときが来るといいなと思っている。
 8月なので、今晩は鱧は諦めていた。
 ゆばも、弟が帰省してくるたびに食べていて、姪っ子が食べれるものを考え、京のおばんざいが食べれる居酒屋に入った。
 生麩や賀茂なすの田楽からフライドポテトまである。
 トマトと湯葉のグラタン、魚と九条ネギの味噌焼き、万願寺唐辛子の焼きびたしなどをビールと楽しんだ。
 早めに晩ごはんを済ませたので、明日の朝食が楽しみだった。
 姪っ子が喜ぶ顔が浮かぶ。
 弟と別れ、ホテルに戻って、ゆっくりとくつろいだ。
 そして、気分のいい朝を迎え、一階に朝食を食べに下りた。
 ここのホテルの朝食は、特にスイーツが充実していた。
 ゆったりと朝食を食べ帰路につく。 
 帰り道は、始めて琵琶湖の西側を北上して、奥琵琶湖を周りこみ、米原から名古屋方面に向かった。
 雄琴温泉の横を通るとき、ある引っ越しのお客さんを思い出す。
 まだ、初老の夫婦で、2人で雄琴温泉にある老人ホームに、名古屋市内の一軒家から引っ越しをさせてもらった。
 話を聞くと、1人息子さんがバイク事故で亡くなり、早めの終活をしての引っ越しだった。
 立派な老人ホームで、全部屋温泉付き。
 病院も隣接していて、ゲストルームも完備。
 あの御夫婦は、もう亡くなっているだろうなと考えながら、北上。
 途中、道の駅に寄ったりしながら、のんびりと帰った。
 このあたりは、普段は静かなところだが、夏の時期は、キャンプやバーベキューなどで賑わっている。
 姪っ子よりも、ボクにとっていい思い出ができた旅だった。