ホテルに入る前に、以前も2人で行った、「オデオン座」に寄る。

 愛媛の「内子座」、香川の「金丸座」と四国には3つある芝居小屋の一つ。
 山田洋次監督、西田敏行主演、「虹をつかむ男」の舞台になり、取り壊しを免れた。
 脇町のうだつの町をぶらり。
 前回、来たときよりも、観光地らしくなり、小綺麗な感じがする。
 駐車場も整備され、小さなお店も増えていた。
 ホテルに荷物を置くと、晩ごはんを食べに出かけた。
 食べるところは、そうないだろうと思い、始めに目に入った焼肉屋で済ませた。
 肉の苦手な妻はいつも、ミノに、ビビンパに、冷麺だった。
 すっかり日もくれ、ホテルに戻ると、窓から阿波おどりの鐘や笛や太鼓の音が聞こえてきた。
 2人連れ添って、音のする、うだつの町の方に歩いていった。
 普段見る、阿波踊りと違い、ゆったり、しんみりとしていた。
 ボクはこれだけで、今回の旅に出た、価値があった。
 富山のおわら風の盆と、曲調などは違うのだが、夏の夜の少しの灯りの下で見る盆踊りは、幻想的であった。
 やっぱりボクは、「見る阿呆」だった。