この時は珍しく新幹線で移動。

 久しぶりに乗ってみようということで、妻と意見が一致した。

 子供の頃のイメージで、お盆年末年始の利用が多く、大勢の大人に囲まれ、通路に荷物を置いて、その上に座ってと窮屈なイメージしかない。 

 唯一良かったのは、終点の博多まで乗ることだった。

 途中停まる駅で、人混みを掻き分け下車する人を気の毒だと思っていた。

 岐阜羽島駅から、ひかりに乗ることにした。

 駐車場代も安く、駅の中の移動も短い。

 この駅を利用する人は、名古屋か大阪でのぞみに乗りかえるのが一般的だが、ボクは乗りかえず、ゆっくり缶ビールを飲みながら、久ぶりの列車を堪能したかった。
 朝7時半頃に乗り、10時半くらいに博多駅に到着。
 そして、弟の仕事の関係で割引のきく、駅近のニッポンレンタカーでコンパクトカーを借りた。
 高速にのり、熊本城を目指す。
 何度か来ているが、この時はお城の下にお土産さんを含む色んな建物ができていた。
 そして、色んな店で買い物をしても持ち歩くことなく、宅配センターみたいなところで、買ったものが集約され、くまモンのイラストの書かれた段ボール箱に詰められた。
 あとは、荷札に住所を書くだけだった。
 懐かしみながらお城を見て回り、僕も妻も気持ちよさそうな顔で、城下を見渡した。

 次に、子供の頃から気になっていた「水前寺公園」に向かった。
 父親が通っていた熊工の話をする時に、たびたび話に出てきたからだ。
 余談だが、父は高校生の時に駅で「山下清画伯」を見たという話が出てくるのも常だった。
 公園の思ってたより小さい駐車場に車を止め、園内に入る。
 うーん、立ち寄ることもなかったかなと思った。
 気を取り直し、阿蘇山に向かう。
 妻を噴火口まで連れていきたかった。
 しかし、あいにくのガス。
 あと何回かは来るはずなので、諦めて父親の実家に行った。(この数年後、2回行ったがその時も見れず。)
 数年前にこちらに移したが、それまではボクも妻も熊本県の南阿蘇が本籍地だった。
 この時のレンタカーについていたカーナビは、古いのか、元々の性能が悪いのか、あと30分もあれば着く場所を、到着予定時間が3時間後を表示し、ふざけているとしか思えないルートを辿っていた。
 父親の実家から見える、阿蘇 五岳が、ボクの熊本の風景だった。
 

 

 

 

 

 


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