私の家に迎えに来てくれるタクシーの運転手さんはいろいろいらっしゃるけれど、最近特にお気に入りの22歳の男の子がいる。
彼がなぜお気に入りになったのか?
私自身の思考を分析すると、やはり彼自身が彼の了見を把握しているからなのだと思う。そして、私が彼と同じ年齢くらいの時に持っていた野心が彼の言葉の端々にあるからなのだと思う。
高卒でこんなに稼げる仕事は無いですよ。
彼はそう言い放つ。
高校を卒業しすぐに彼はいわゆる期間工のような仕事をしていたらしい。でも、すぐに飽きたそう。
ここまでの話だと忍耐力が無いとか甲斐性が無いとかそんな風に私も彼をみてしまう可能性はゼロでは無いかもしれない。
でも彼は続けてこう言い放つ。
手取りで30万円稼げる仕事はないっすよ。
一生懸命働けば、めっちゃ稼げる。同じ年齢の人たちより稼いでいる、稼いでいける自信があります!
東京に出るための資金を稼いでいる。
東京に彼女がいる。早く近くに行きたい。
将来は、個人タクシーを東京でやりたい。
都会のタクシーの運転手は稼げますよ!
私には、この仕事が天職です。性格にもあっている。
そう、彼は自分自身の性格を把握し、能力を分析し、そして今、タクシーの運転手をしている。そして目的を持って生きている。
目的を持って生きる事だけが人生の幸せでは無いと私は良く知っているけれども、それでも彼がハンドルを握るタクシーで駅に向かう朝は、なぜか心地良い刺激を受けるのです。
もう1人、高齢者と呼ばれる年齢になっているタクシーの運転手さんが私を迎えに来てくれる事がある。
彼は言う。
コロナ禍で、タクシーの運転手が激減してたけどやっと戻ってきたよ、と。
コロナ禍中、タクシーの運転手さんより宅急便屋さんの方が儲かるようになったそう。コロナ禍は、誰もがAmazonなどを使い、ネット注文しまくっていたから、なるほどそうなのかもしれない。
でもあれだよ。最近はやっぱりタクシーの方が稼げるからって出戻ってきたやつがいるよ。真面目に一生懸命働けば結構稼げるからね。
この、もう高齢者だよ!と毎回言うおじいさんが話しているのは、例の若者なのでは無いかと思った。
野心や目標。やっぱり必要なのだろうか?
シックスセンス管理人