2014年7月の読書メーター読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1741ページ
ナイス数:328ナイス
ジウ―警視庁特殊犯捜査係 (C・NOVELS)の
感想読了後に今一度表紙を見直すと不思議な感じがします。この表題から抱いた印象と本文とではギャップがあった様な。しかしいい意味での裏切りだったのは「ジウ」の意味が理解できた本巻の中盤にして、本作が既刊三冊をフルに使った大作になるであろうと容易に予想できた事でしょう。先が楽しみになってきました。とはいえ肝心の内容は、その中盤に届く迄物語の目的が全く見えず、妙に地に足のつかない展開に戸惑っていました。それでも不思議と結末まで読まされてしまう「誉田エンジン」はやっぱり凄い、という事にもなるのですが。まだ序章という所。
読了日:7月19日 著者:
誉田哲也
金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件: 2 (角川文庫)の
感想中短三編を収録。表題作は金田一氏初登場の回と聞きつけての購入でしたが「2巻」とはこれ如何に? さて余りに有名な作品故、初読とはいえ予備知識なり憶測なりを抱きつつの取り組みでした。意外だったのは、装丁やら映像作品等から受ける怖い印象はなく、むしろ探偵のコミカルで頼りなげな印象の強い、明るめの物語だった事です。ミステリとしては、家柄や風土が重視されがちの背景が故にトリックよりも動機が肝という所でしょうか。探偵が動機を見てきたかの様に語る姿が気にならなければ、論理的で重厚な謎解きを楽しめます。車井戸~がお勧め。
読了日:7月13日 著者:
横溝正史
天魔 (新潮文庫―剣客商売)の
感想最強の剣客・千代太郎現る「天魔」。悪党に謀られ追い詰められる脇役の苦悩が切々と語られ、さりとて上手の敵には歯が立たず無念如何ばかりか、の所で真打登場の「老僧狂乱」。最強の主役はこう使えと言わんばかりの、物語の教科書の様な胸躍る展開の連続ですが、それも修練と修羅場の果てに辿り着いた厚みのあるキャラだからこそ。主人公の強さにも理由が欲しいスポ根好きの貴方にこそ贈りたい、少年漫画の手本の様なシリーズです。また●饅頭のくだりで初心な若者ふたりを苛める辺りは、作者の愛と悪戯心に触れ思わずニヤリ。正に娯楽の極みです。
読了日:7月9日 著者:
池波正太郎
とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)の
感想実は本シリーズ、誓約3まで積んでおります故そこまでは読みます。さて、まるで口を開かなければ貴公子なあのキャラの様に、引き続き戦闘描写と台詞の質の差に苦笑いのシリーズにも慣れてきたこの頃。理由や伏線に拘らなければ、偵察機を介した戦艦同士の砲撃戦は航空機の空戦とはまた別の趣で読み応えがありました。そうして血と肉で積み上げてきた緊迫感を、結局異能一発で解決してしまう結末には賛否両論かとも思いますが、この辺は初めから匂わせていた流れでしたので仕方の無い部分かと。次巻終幕。ドラマは残されていない気もしますが、さて。
読了日:7月6日 著者:
犬村小六
ラヴクラフト全集 (2) (創元推理文庫 (523‐2))の
感想前巻より読み易かった。今巻の秀逸な点は、悪魔や怪物という人外の存在を題材にしているにも拘らず、実際に怪物そのものや残酷な描写が少ない点でしょう。あくまでも扱っているのは興味と恐怖と狂気の境界線におけるせめぎ合いという人間らしい部分であり、故に容易に想像が可能であり怖気を誘います。中でも「チャールズ・ウォートの~」は珍しく長編で、それだけに主人公の狂気への過程がじっくりと描かれ、読み手の中の恐怖も醸成させられる体で世界観を堪能できます。にしてもラスト付近の老医師の胆力には脱帽。僕なら瞬間発狂ものでしょうね…
読了日:7月5日 著者:
H・P・ラヴクラフト読書メーター