序盤は男女の死から始まり、その被害者の子供が徐々に物語の中心になっていく展開。このときは犯人としては認識せず。
中盤でその二人がどうやら裏の顔を持っていることと、何らかの繋がりがあることが示唆される。特に急に物語に入り込むプログラミングのエピソードによって、その関係性が確信めいてくる。挿話的な犯罪の数々は、細かなトリックは最後まで明かされない。主に男子側が犯罪の主犯格としての歩みを描き、女子側は表舞台でのし上がっていく姿を描く、表裏一体の展開になる。
終盤は、その解き明かしに終始していく展開になっていた。女子側の過去、序盤の犯人もここで初めて明かされる。ただそれはすでに匂わせで明らかなため驚きも何もない。
この構成を緻密と評価している評論をいくつか見た。
果たしてそうかなと思った。欲張りすぎだし大事なところは思わせぶり過ぎではないかなと。ハッキリ言って余計なエピソードが多すぎ。男性側の援助交際のブローカーなんかは、似たような被害にあった子を守るために父親を殺した人間がやることとは思えないけど、たからこそそういったことをしていたとも読める。だがその機微が描かれない。常に第三者視点なので予想するしかない。
正直読んでいて、犯人はほぼ分かっているのに、回収されない犯罪と新たな登場人物を大量に投下され、ダラダラと進んでいった印象だった。PC関連の話しは全て割愛してもこの作品の重要度合いには一切影響しないと言い切れる。
やはり冒頭で子供が犯罪を犯したというのは明らかにして、最後まで動機を隠す。そして読み手には一見して親を殺した2人の全く違う人生行動を辿っていくが、最後にその動機が児童買春の被害者であり共謀だったということネタあかしの方が良かったと想像した。だからこそ、なぜ親を殺す必要があったのか、その人生に大きな影響を与えたのかという、テーマがハッキリしたと思う。
こういった統一テーマの章立てで展開していく作品だと、どうしても金閣寺と比べてしまう。
単純に中盤に大きな大きな山がないと、読む方としてはツマラナイ。そう、教訓を受けた。