人の気持ちが分からないから作家になりたい -4ページ目

人の気持ちが分からないから作家になりたい

あらゆる物語から吸収したい
人による創造物に触れた時に感じたことを書いていく
それを後から見て恥ずかしくなったり脳内記憶の補助や糧にするためのブログ

数カ月後に地球が滅亡することが分かった世界で、ある目的のために自動車学校に通う女性がいた。そこでとある殺人事件に遭遇し、ひょんなことから教習の教官と2人で犯人の捜索を開始する。


なんて面白そうな概要だろう、と思った。そのセンスに強く嫉妬して、すぐにネットで購入して読んだ。貸した知人の評価は絶大だった。1日で読み終えたらしい。

正直言って概要の面白さが全ての作品だった。本作を読もうが読ままいが評価は変わらない。出てくる人の深みは感じられにくかった。ストレートでブレがない。犯人の動機とかも弱く感じたし、ラストの展開はお約束感があって冷めてしまった。世界の終末の物語としては何とかまとめきった感じを受けた。


これは全く個人の嗜好なのだが動物出てきて欲しかった。

これは良かった。ストーリーが非常に秀逸だった。東野圭吾作品はだいたい映画を先に見てしまうので原作を読んだことがなかったが、俄然素晴らしかった。

この作品のテーマである、アリバイトリックと見せかけて偽装トリックだったということが最後の最後まであかされない。そこが秀逸だから、ガリレオがいかにそのトリックに気づけたかは、とてもあっさりしていて、やや強引に話が進んでいく。むしろ男女の関係性に重きが置かれるので、バランスがとても良かった。

文章自体も、箇条書きに近い淡白というか、シンプルで、比喩暗喩形容がとても少ない。

それでも人の琴線に触れる物語は十分に作れるのだと考えさせられた、自分にとって重要な作品となった。

序盤は男女の死から始まり、その被害者の子供が徐々に物語の中心になっていく展開。このときは犯人としては認識せず。

中盤でその二人がどうやら裏の顔を持っていることと、何らかの繋がりがあることが示唆される。特に急に物語に入り込むプログラミングのエピソードによって、その関係性が確信めいてくる。挿話的な犯罪の数々は、細かなトリックは最後まで明かされない。主に男子側が犯罪の主犯格としての歩みを描き、女子側は表舞台でのし上がっていく姿を描く、表裏一体の展開になる。

終盤は、その解き明かしに終始していく展開になっていた。女子側の過去、序盤の犯人もここで初めて明かされる。ただそれはすでに匂わせで明らかなため驚きも何もない。


この構成を緻密と評価している評論をいくつか見た。

果たしてそうかなと思った。欲張りすぎだし大事なところは思わせぶり過ぎではないかなと。ハッキリ言って余計なエピソードが多すぎ。男性側の援助交際のブローカーなんかは、似たような被害にあった子を守るために父親を殺した人間がやることとは思えないけど、たからこそそういったことをしていたとも読める。だがその機微が描かれない。常に第三者視点なので予想するしかない。

正直読んでいて、犯人はほぼ分かっているのに、回収されない犯罪と新たな登場人物を大量に投下され、ダラダラと進んでいった印象だった。PC関連の話しは全て割愛してもこの作品の重要度合いには一切影響しないと言い切れる。

やはり冒頭で子供が犯罪を犯したというのは明らかにして、最後まで動機を隠す。そして読み手には一見して親を殺した2人の全く違う人生行動を辿っていくが、最後にその動機が児童買春の被害者であり共謀だったということネタあかしの方が良かったと想像した。だからこそ、なぜ親を殺す必要があったのか、その人生に大きな影響を与えたのかという、テーマがハッキリしたと思う。

こういった統一テーマの章立てで展開していく作品だと、どうしても金閣寺と比べてしまう。

単純に中盤に大きな大きな山がないと、読む方としてはツマラナイ。そう、教訓を受けた。