多くの方が、この言葉を聞き“根性論”、“非科学的”と感じるでしょう。
しかし、本当に非科学的なのでしょうか?
私は、非常に理にかなっている。科学的であると思います。
その理由ですが、トレーニング・練習に……
「コーディネーション(coordination)トレーニング」
と言う考え方があります。
コーディネーションの意味は……
・物事を調整してまとめる能力
・筋肉や動きなどを調整、協同する能力
などになります。
スポーツの場面においてコーディネーションとは、
「選手が持っている筋肉の能力、運動能力、持久能力を様々な環境や状況下において適応、調整し協調させること」
と考える事が出来ます。
そして、このコーディネーションを確実に行うのには……
・定位能力(スポーツ環境・競技場の中で自分の位置を把握する能力)
・識別能力(サッカーの場合リフティング、野球ならばスローイング、バットスイング)
・バランス能力(ボディバランス)
・反応能力(相手の攻撃に対する素早い反応)
が必要となります。
つまり、「稽古・練習で怪我を治す」とは相撲を例に挙げると……
怪我をしているのに、三番稽古・申し合い、ぶつかり稽古をいつも通りに盲目的に行うことではなく、自分が今できることを(怪我をしていない健常部を)稽古する。
ことになります。イメージ的には……
・指を骨折している→四股、すり足、てっぽう(怪我をしていない手を使う)を行う。
・膝の靱帯を損傷している。→軽くてっぽうを行う、腕立て伏せを行う、おっつけの稽古を行う、突っ張りの稽古を行う、上手・下手の取り方の稽古を行う。
ということになります。
識別能力、バランス能力、反応能力の維持向上となります。
稽古場にいることが、とても重要になります。
つまり、稽古場にいるだけで先ほどの「定位能力」を維持することができます。
チャンスがあれば、土俵の中に入り「土俵を履いたり、水を撒いたり」して土俵の感覚をつかむことも出来ます。
そしてなにより、稽古場にいるだけで……
・見て(観て)研究できる、
・兄弟子の技を盗む事ができる、
という素晴らしいプレゼントも貰えます。
おそらく、多くの指導者が「稽古で怪我を治す」の意味を間違えて理解して・実践していると考えられます。
その結果“非科学的”というイメージが先行したと考えられます。
稽古で怪我を治す、とても理にかなっている言葉です!
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