吉川英治さんと双葉山関 その1素直 | 内藤堅志オフィシャルブログ「労働科学研究者 内藤けんしの"ちょっといい話かも!"」Powered by Ameba

内藤堅志オフィシャルブログ「労働科学研究者 内藤けんしの"ちょっといい話かも!"」Powered by Ameba

労働科学研究所 協力研究員。
第1種衛生管理者。
労働衛生・安全、技能伝承、ストレスを研究しています。成功、活躍した人を分析して「運」も研究しています!

ここ数日、吉川英治さんの「宮本武蔵」(講談社:8巻)を読み直しました。

宮本武蔵



前回読んだのは高校3年くらいかな?

あのときは、ただ「面白い」という感想でしたが今回は違います。まったく!


現在、横綱白鵬関、剣術家の簑輪勝先生とのお付き合いがあります。勝負の心境を聞いています。

そして双葉山さん、大鵬さん、初代若乃花さんの書籍を精査しています。


「深い」。


よくぞここまで、剣術家の心を描写したと思います。


写真を見て頂くとお分かりですが、後半は付箋だらけ。実は後ろにも付箋があります。



気にとまった内容は‥‥


吉川さんはなぜ宮本武蔵を素直にしたのか?

5巻に権之助との試合があるのですが、P206に試合を見ていた権之助の母に「なぜ試合中に腰と叫んだのか?」という質問があります。そして、その答えを聞いた武蔵は「良い教えを受けた」と答えています。


この素直については宮本武蔵ばかりではありません。
物語で主要である人物を全て素直にしています。


佐々木小次郎との決戦を前に武蔵は姿を隠します。武蔵側の人、長岡佐渡は家臣に武蔵を捜させているのですが見つかりません。そこで武蔵の弟子である伊織が言った言葉に対して‥‥‥‥

「大人の常識は限界があるが、少年の思いつきには限界がない」

と‥‥

この言葉は深い。


双葉山さんが書いた「双葉山自叙傳」、「相撲求道録」を読んでいても随所に素直さを感じる文体が多く出てきます。


そして、横綱白鵬関も多くの人の言葉を一生懸命聞き、参考にします。また子供の意見も真摯にききます。




今日の謎。

なぜ、吉川英治さんは「素直さ」を強調したのか?

「宮本武蔵」を執筆するに当たり、相当な時間を質・量共に費やしたはずです。

その答えは‥‥
つまり吉川英治さんは、強さの必須条件として「素直さ」があると考えていた。

と考えると辻褄が合います。

宮本武蔵、深い作品です。

ようやっとこの年になり、わかりました。




白鵬のメンタル 人生が10倍大きくなる「流れ」の構造 (講談社+α新書)/講談社

¥950
Amazon.co.jp