前回読んだのは高校3年くらいかな?
あのときは、ただ「面白い」という感想でしたが今回は違います。まったく!
現在、横綱白鵬関、剣術家の簑輪勝先生とのお付き合いがあります。勝負の心境を聞いています。
そして双葉山さん、大鵬さん、初代若乃花さんの書籍を精査しています。
「深い」。
よくぞここまで、剣術家の心を描写したと思います。
写真を見て頂くとお分かりですが、後半は付箋だらけ。実は後ろにも付箋があります。
気にとまった内容は‥‥
吉川さんはなぜ宮本武蔵を素直にしたのか?
5巻に権之助との試合があるのですが、P206に試合を見ていた権之助の母に「なぜ試合中に腰と叫んだのか?」という質問があります。そして、その答えを聞いた武蔵は「良い教えを受けた」と答えています。
この素直については宮本武蔵ばかりではありません。
物語で主要である人物を全て素直にしています。
佐々木小次郎との決戦を前に武蔵は姿を隠します。武蔵側の人、長岡佐渡は家臣に武蔵を捜させているのですが見つかりません。そこで武蔵の弟子である伊織が言った言葉に対して‥‥‥‥
「大人の常識は限界があるが、少年の思いつきには限界がない」
と‥‥
この言葉は深い。
双葉山さんが書いた「双葉山自叙傳」、「相撲求道録」を読んでいても随所に素直さを感じる文体が多く出てきます。
そして、横綱白鵬関も多くの人の言葉を一生懸命聞き、参考にします。また子供の意見も真摯にききます。
今日の謎。
なぜ、吉川英治さんは「素直さ」を強調したのか?
「宮本武蔵」を執筆するに当たり、相当な時間を質・量共に費やしたはずです。
その答えは‥‥
つまり吉川英治さんは、強さの必須条件として「素直さ」があると考えていた。
と考えると辻褄が合います。
宮本武蔵、深い作品です。
ようやっとこの年になり、わかりました。
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