後の先 その3 | 内藤堅志オフィシャルブログ「労働科学研究者 内藤けんしの"ちょっといい話かも!"」Powered by Ameba

内藤堅志オフィシャルブログ「労働科学研究者 内藤けんしの"ちょっといい話かも!"」Powered by Ameba

労働科学研究所 協力研究員。
第1種衛生管理者。
労働衛生・安全、技能伝承、ストレスを研究しています。成功、活躍した人を分析して「運」も研究しています!

昨日の大相撲。

横綱白鵬関と稀勢の里関の一番。

横綱は取り組み後のインタビューでアナウンサーに「今日は後の先で行きました」といいました。


後の先、このブログでは度々お話ししていますがもう一度、説明したいと思います。


昨日の一番、
後の先

(NHK大相撲中継)

NHKさんすみません。ちょっとお借りします。

この状況で、白鵬関は手をついて、稀勢の里関を待っています。
この後、稀勢の里関が動きます。立ちます。

多くの方が、「後の先」というと完全に受けて立つようなイメージがあると思います。

しかし、後の先にはタイプがいくつかあるようです。

昨日の後の先は、先に手をつき待って、相手が動いてから、横綱が動いていました。

しかし、相手とコンタクトしたときはすでに有利な体勢になっていました。

多くの人が一瞬、「横綱が右に変わった」と思われたと思います。

しかし、稀勢の里関よりも後に動いて、あの体勢を作っています。
まさに、完璧です。


後の先を成功させるためには、心が必要です。

心とは、強い心か?

そうではありません。

いま、「双葉山関の後の先」と「白鵬関の後の先」の質の違いと共通項を研究しています。
それを「日本の心」、「道の心」で表したいと(本にしたいと)考えています!

ですから、詳細は言えませんが、心の部分のヒントとなるのが‥‥‥‥

山田洋次監督の「武士の一分」です。

「武士の一分」の中で剣術指導をしたのが、剣術家の簑輪勝先生です。


簑輪先生は、後の先最後の剣客、鏑木武盛先生の教えを受けた方です。

最近は親しくさせてい頂いて、雑誌の対談などをさせて頂いております。
(今年の1月、5月のブログにその内容があります)



簑輪先生と。
image



白鵬関とも5月にお会いして、「後の先談義」を咲かせています。



その話が、とても面白かったです。



後の先は、素晴らしい身体能力、技を持っていてもできません。



素晴らしい心がなければできない技です。



ぜひ、武士の一分をご覧下さい。

木村拓哉さんの気持ちを考えて下さい。

後の先のヒントが隠されています。




そこで簑輪先生から聞いた、山田洋次監督とのやり取りを最後にお話しします。


山田監督:簑輪さん本当に目の見えない人が(木村さんの役)目の見える人に勝てるのか?

簑輪先生:そうですね。勝てますかね。勝つためには‥‥

山田監督:‥‥‥‥(無言)こうかもしれない。

簑輪先生:‥‥‥‥(無言)そうですね。これかも知れない。


等のやり取りを毎晩、朝まで繰り返したそうです。
ある時、2人の意見が合致しました!


山田監督、簑輪先生:あああ、◎◎◎◎ならば勝てるかもしれない。


この話を、簑輪先生が横綱白鵬関に話しました。

白鵬関:わたしもそう思います。

と‥‥。


もったいぶってしまいましたが、もの凄く深い技です。


後の先、


双葉関も後の先を行う際には、同じ心境だったと思います。


あさって27日土曜日、山梨県北杜市白州町の簑輪先生の道場で、聴衆を前にして「後の先に関する討論会・意見交換会・勉強会」を行います。


今から楽しみです!




白鵬のメンタル 人生が10倍大きくなる「流れ」の構造 (講談社+α新書)/講談社

¥950
Amazon.co.jp