今日は、最近相撲界で話題になっている稽古について考えたいと思います。
遠藤関が、場所前に部屋で幕下(つまり遠藤関よりもはるかに弱い力士)を相手に80番(80回相撲をとる)稽古をしたという事に対して……。
「幕下相手にいくら稽古をしても強くはならない」とか「番数はこなしても(80回やっても)ウォーミングアップでしかない」とか、いろいろと言われていますが、この考え方は……
100%誤りです!
弱い者と稽古をしても目的意識があれば素晴らしい稽古になります。
事実、4日目には横綱鶴竜関に勝っています。素晴らしい動きで!
私は、遠藤関は考えて稽古をしている素晴らしい力士だと思います!
おそらく「80回の目的」とは、“型の形成”、”動きの形成(確認)”です。
本場所をイメージしてのことだと思います。
このような考え方は、実は、他のスポーツでも昔からあります。
ボクシングでは「シャドーボクシング」であり、
野球では「素振り」、「シャドーピッチング」です。
シャドーボクシングを「ウォーミングアップ」と考えるのは、おそらく素人でしょう。
一連の流れは……「シャドーボクシングで動きやパターンを形成してから→サンドバッグ→トレーナーのミット→マススパーリング→スパーリング→反省・評価→対策→シャドー」という流れだと思います。
また、野球の野村克也さんは、最近の選手が打てないのは「素振りを疎かにしている」、いいピッチャーがいないのは「シャドーピッチングを疎かにしている」と語っています。
つまり、格下と稽古をしても「目的意識がしっかりとしていれば素晴らしい稽古になる」と言えます。
逆に強いもの同士で稽古をしても……
・ただ何となくやっていたり、
・だれかから強制的やらされいたり、
すれば“フィジカルトレーニング(体力強化)”にしかならないということです。
もう一度、「稽古とは何か」を考え直す必要があると思います。
先日、ブログで使用した図をご参考にして頂ければ幸いです。
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