ジキル氏が隠した嘘の裏の裏。
後期が始まって。新しい授業に追われて、追われて、追われて。
そしてまた、新しい不安に襲われている今は。僕と彼と数人しか知らないそれは、僕の中に綺麗事と弱さを作って。
現実はやたらと僕に負荷を掛け続けるけれども、逃げちゃいけない。逃げる事が許されない目の前の事実から幾ら涙を流して幾ら心を壊し幾ら足掻こうとも、目を逸らさずに真っ直ぐ見据え続けなきゃいけないんだ。
本当は僕自身にとっては逃げる事が唯一自分の身に降り懸かる火の粉を避ける方法かも知れないけれども。飽くまでも、僕「独り」の問題ならば。
僕だけの問題じゃないからこそ、逃げちゃいけないと深く、強く想った。それ程に重くなるであろうこの不安はいずれ問題へと変わってしまうのだろうか。
大事な、大事な人達なんだ。
今の僕はきっと彼無しじゃダメになってしまう。彼が想っているほど、彼に依存して仕舞っている。
彼だけじゃなくて、僕の周りの人たちにも。幾ら人間は社会的な生物であろうとも、僕は型枠に嵌められた「人間」以上に誰かに依存してるんだ。
ごめんなさい、依存してしまった大事な人達。
ありがとう、依存させてくれた大事な人達。
僕は貴方達が居るからこそ、生きていける。
ノースミスは囁く。僕は憂う。
明日は朝から一緒、と云って帰ってしまった。もう既に独りになってから1時間経つんだ。時間が経つのは馬鹿みたいに早い。
久しぶりに学校へ行って、笑顔ばかりで終えられた。けれども身体の中心(心臓?けれども感情は心臓が作り出すものではない)の奥底に、何か引っかかる物が無い訳じゃない。どうしてだろう?副委員長なんて云う、僕にしては珍しいポストに就いたからだろうか。
泊まる予定だって有る、これからの授業の時間割にもっと頑張らなきゃって強く感じた、今日の晩ご飯だって買った。
何か、残る。まるで先日酔った時に僕を襲った嘔吐感の様な。何かをするのも面倒で。
彼がこの部屋を出て行ってから直ぐに何かを纏っているのも気だるくて、服を脱ぎ捨てた(特に意味は無い。下腹部には未だ重い刻む様な違和感が残るのみ)。
爪を切った。
指先から覗く白い爪先は今や跡形もなく、けれども何かに触れる度に違和感を感じてしまう。黒いネイル。指先へ咲かさなきゃ。塗りつぶさなきや。
本当は、行かないでとあの大好きな腕を放したくなかった。
捕まえて、何処にも行かせないように閉じ込めて置きたかった(束縛と云うのだろうか。それとも、監禁?だってね、それ程に淋しかったんだ、離したくなかったんだ)。
愛してる?
盲目?
迷惑?
束縛をされるのは好きだけれども、するのは嫌い。どうしようもないそんなマゾヒスト。
どうしよう、今日は。
きっと病んでしまっているんだ。
淋しい。
誰かの傍に居たい。