外来種である『ニジマス』について思う事 | 美しい風景に出会いたいっ!

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自然が大好きな美女(自称)が綴る、楽しいブログ♪

今回のブログ、いつもの遊びネタではありません。

人によって考え方はそれぞれなので、賛否両論あると思いますが、

あたしが思っていること・考えていることを、書かせて頂きました。

 

 

『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関わる法律』

 

長いわ...(笑) とりあえず、外来生物法ってことで。

 

 

最近の世の中の動きとして、在来種を守るために外来種を排除しよう!

という考え方が広まっているような気がします。

テレビ東京の『緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦』という番組でも、外来種は悪者扱いですよねぇ。

勿論、外来種には何の罪もなく、そこで生きているだけです。カミツキガメ等、人に被害を加えるのは確かに大問題です。しかしながら、本来そこに生息しない生物を、全て悪者扱いするのも如何なものかと...

 

餌場を求め大移動する野生動物も居ますし、羽根のある生物ならば、本来の生息域でない場所にも飛来します。真実の程は不明ですが、渡り鳥の体に魚卵が付着し、鳥と共に移動。飛来地の湖沼で、本来生息しないはずの魚が発見されたりするとも聞きます。植物の場合は、種での移動ですね。まぁ、これらは全て人が介入しない自然の摂理ですね。

 

また、現代社会は物流社会です。小さな生物達は、彼らが意図せずとも自動車や飛行機、船舶の経済活動と共に強制移動してしまいます。セアカゴケグモのような毒蜘蛛は、恐らく大型タンカーや輸送コンテナと一緒に海外から日本に入って来たのでしょう。

北海道には本来 カマキリは生息していませんが、本州から出荷される生花に付いて入って来たと言われています。カブトムシ等も同様に、こちらは国内外来種と呼ばれます。

 

ペットとして飼育していたものを個人が自然界に放すのは論外ですが、国が食料難の政策として国内に持ち込んだ種は、何の考えも無しに移入させ、何十年か後に『外来種』として駆除や規制の対象にさせるのは可笑しな話です。

 

『特定外来生物』に指定されると、飼育、販売・頒布・渡譲、許可のない輸入、個体の移動・野外へ放つ等、全てが禁止されます。なお、生きたままだと法律違反ですが、死体での移動は問題ないため、殺してしまえば持ち帰ったり、剥製・標本として手元に置くことは可能です。

2020年11月現在で、第14次指定種にまで増えています。何でそんなに詳しいのって? 

だって、この指定で、あたしの大好きなザリガニが飼育不可能になっちゃったんだもーん(泣) 

 

「ザリガニくらい飼育させろよー!」(ガラ悪いですねw)

 

興味のない人にとって紛らわしいのが、『外来種』という言葉。こちらは、本来の生息地ではなく、人為的に他の地域から入ってきた全ての生物を指します。対義語として、従来からそこに生息するものは『在来種』と呼ばれます。外来種でも特定外来生物に指定されていなければ、何の問題も無く飼育することは出来ます。しかし、自然界では生態系を乱すということで、良いイメージはありませんね。

 

 

 

相変わらず前置きが長いですが、ここからが やっと本題です(笑)

 

 

実は あたし、若い頃(今も若いよ♪)琵琶湖のすぐ近くに住んでいたことがあるの。

でも、ブラックバスを釣ったことは 一度もありません。そもそも、琵琶湖でロッドを振ったことないし(笑)

そして接する機会も無いため、現在のバスフィッシングがどのようになっているのか、全然知りません。なので、もし 間違っていたらスミマセン。 ...と、前置きしておいて~

 

あたしの住む北海道も、以前はブラックバスが生息していたようですが、現在は、その存在を耳にすることはありません。釣りの対象魚としてのバスは、これまで多くの人を楽しませてきました。ところが特定外来生物に指定されると、キャッチ&リリースが不可能となります。にも拘らず、漁業権という権利なのか、神奈川の芦ノ湖、山梨の河口湖・山中湖・西湖はキャッチ&リリースが認められているようですね。

現在の琵琶湖には『外来魚回収ボックス』なるものが設置されており、釣り上げたバスや ブルーギルはリリース禁止のため、この箱に入れると聞きました。県の考え方としては、『釣りを楽しみながら外来魚駆除をしよう!』と 言うことらしいです。要するに、釣ったお魚はリリース禁止だし、食べもしない。在来種を守るため、外来種であるバスは回収箱に入れて殺しちゃえ! ということ? 基本的に『駆除』という言葉を使用している以上、解釈的には間違っていないと思います。

 

 

 

で... 北海道のお話しです。

 

『特定外来生物』ではありませんが、道内には『外来種』であるニジマスが広く分布しています。本州に住む方だと、山奥の管理釣り場で、冷たい水が流れる清流に放流された魚のイメージでしょう。ですが、ここ北海道では、その辺の河川で普通に自然繁殖しちゃっているんです! その大きさも圧倒的で、過去には90㎝もの巨大ニジマスが釣り上げられた記録もあります。大きさからしてもニジマスの方が明らかに強いので、生息域が重なる在来種のヤマメ・イワナ・ウグイ等は追いやられてしまいます。

ブラックバスは、野池や沼、ダム湖などの止水域にしか生息しませんが、ニジマスは池や湖は勿論、川の上流から下流まで生息しちゃうんです。更に恐ろしいことに、何と海でも生きていけるのよ!(北海道でも降海型は稀ですが) また、洞爺湖では一時期、ドナルドソンのような大型の改良品種が釣れたこともあるそうです。

釣れる魚はニジマスばかり... という河川も存在します。ここに生息していた在来種は何処へ消えたの?

 

大きさもそうですし、生息域を見ても、ニジマスという魚は、ブラックバス以上の脅威でしかありません。

そんな魚ですが、北海道の釣り人は、とてもニジマスを大切にします。60㎝・70㎝の大物はファイトも強烈で、釣り上げるのに大変な苦労を伴うことも。勿論、釣り上げた後は丁寧にリリースします。ブラックバスと違い、食べても美味しい魚ですが、ほとんどの釣り人がリリースしているのが現状です。

 

ちなみに、お寿司屋さんで提供されるサーモンや、スーパーで販売されているサーモン・トラウト。これらは全て、ニジマスなんですよ~ (品種改良されてますが)

鮭と思って食べていたのがニジマスだったなんて、食品偽装に当たらないのかしら?

北海道のホテルで『カニ食べ放題』と謳って、タラバガニを提供してもクレーム来ないのと一緒?(ちなみにタラバガニは、誰がどう見てもヤドカリですっ!)

 

 

 

こちらは、アメリカ合衆国・アラスカ州で釣ったレインボー トラウト(虹鱒)

 

 

統計を取った訳ではありませんが、恐らく道内の釣り人の多くが、北海道内でブラックバスが釣れることに反対でしょう。個人的な意見では、あたしも反対ですが...

 

 

ブラックバスは絶対に反対!

でも、ニジマスはいいの? という疑問...

 

 

外来種という括りでは、バスも ニジマスも一緒ですよね? 当然 誰でも知っていると思いますが、本来ニジマスは日本に生息していない魚です。国内には1877年(明治10年)に、アメリカ合衆国から移入されたのが始まりのようです。(『ようです』と書いたのは、その時代、あたしはまだ生まれていないので 良く知らないのよw) 各国によって定義は異なりますが、日本の場合、明治元年以降に国内導入された生物を外来種と指定しているようなので、移入から100年以上の歴史があっても、ニジマスは外来種なんです!

 

バスフィッシングは日本中(北海道を除く)で親しまれ、人気のある釣りです。そんな釣りの対象魚が、リリース禁止・駆除対象というのであれば、在来種を脅かすニジマスもリリース禁止・駆除対象にすべきでは? と思いますよね。それなのに阿寒湖や 阿寒川では、漁業権を持つ漁協が堂々と外来種であるニジマスを放流しています。在来種の保護や生態系は一切考えず、観光資源や 釣り人誘致といった、経済優先の考え方です。滝上町を流れる渚滑川でも、釣りの体験観光振興や 魚の保護のため、ニジマスのキャッチ&リリース区間を設定しています。

観光・釣り人誘致の経済効果という考え方ならば、バスフィッシングだって同じでしょ? その考え方なら、バスを放流したっていいじゃないのさー! 釣り人口だけならバスアングラーの方が遥かに多いから、経済効果だってニジマス釣りなんて比較にならないわよ。

 

 

北海道で ブラックバスの生息がダメならば、

ニジマスもダメ! 

 

 

あたしはこう思うのですが、この基準の違いは、一体どこから来るのでしょう?

 

ミヤベイワナで有名な然別湖ですが、数十年前 釣り人に『ウグイの駆除に協力を!』という呼びかけがありました。(←現在は 無いようです) ミヤベイワナを始め、サクラマスや ニジマスは釣り人にとって価値あるものですが、ウグイは外道でしかない存在。釣っても嬉しくないウグイは邪魔者でしかないため、釣れたら殺してしまいましょう、という事でした。すっごく勝手な考え方ですよね!

 

結局、道内ではサーモンや トラウトの存在価値が高く、これらを釣ることに喜びを見出す人が多いのも事実。そんな道内のフィールドに、ブラックバス・ブルーギル・ライギョは必要ない! だけど、ニジマスは許すってことなのでしょうか? その理論なら、カットスロート トラウトだって放流しても良いじゃない(笑) これだと、単なる魚種の好き嫌いの話しになっちゃいますよね?

 

外来種という括りでの線引きなら、一貫性を持たせて欲しいです。

 

 

北海道の釣り人も、ブラックバス同様に ニジマスのキャッチ&リリース禁止を マナーとすべき時期が来ているのではないでしょうか?

 

 

いっそのこと、ニジマスも特定外来生物に指定してくれれば... とも思ってしまいます。

道内に広く分布するニジマスは、ブラックバス同様に根絶は不可能なのでしょうね。そもそも漁協が、湖や 河川に堂々と放流してるし... これじゃ、いくら駆除しても無駄だわ💦 ニジマスの生息しない、ヤマメやイワナ、ウグイだけが泳ぐ、正しい日本の渓流を復活させても良い時期に来ています。

 

こう書くと、ニジマス嫌いなの?と思われるかも知れませんが、

 

ニジマス好きですっ!(笑) 

 

釣りの対象魚として見た場合、ニジマスのファイトは格別です! 

同じ大きさの魚なら、ニジマスに勝る魚種は居らず、引きの強さに驚いてしまいます。

そんな あたしの意見として、ブラックバス同様に、一部の河川・湖のみでキャッチ&リリースを可能にし、ニジマス釣りを楽しめるようにするのはどうでしょうか? 指定以外の河川・湖でのニジマスは駆除し、リリース禁止。こうすることで、本来の生態系も守りつつ、釣り人の理解も得られると思います。

実際、ブラックバス問題は、このようになっているようですね。全てを禁止すると、人って反発しちゃうからね。何より、ニジマスが釣れなくなると、釣りを趣味とする あたしとしても面白くないし。

 

尚、道内には同じ外来種で ブラウントラウト というお魚も 生息しているんです。ニジマス同様に特定外来生物の指定からは外れていますが、この種は ニジマス以上に魚食性が強く、在来生態系への影響が大きいことから『要注意外来生物』に指定されてるの。 また、北海道内水面漁業調整規則によって放流(再放流とは異なります)も禁止されています。ですが このお魚も、道内の河川で自然繁殖しているのよ。道内では ほぼ存在しないと思われますが、ブラウンもまた、海に下ります。

 

 

お魚の話ではありませんが...

ウチダザリガニはダメなのに、どうしてアメリカザリガニはOKなのよ~? と、思う あたし。

同じアメリカ産のザリガニなのにさ~ アメザリの方が日本国内は元より、世界中に途轍もなく分布域を広げていて脅威じゃないのよっ!

日本国内で、法律に抵触せず飼育可能なザリガニは、アメリカザリガニと 在来種のニホンザリガニ、この2種だけになっちゃった... (泣) ヤビーとか飼育可能だった頃が懐かしいよ...

 

1999年から国内解禁された外国産カブトムシ・クワガタは 現在も飼育可能ですが、こちらも将来的にはどうなるのか、不安でしかありません。

 

熱帯魚の飼育を始め、外国産の生き物を飼うのと、自然界に生息する外来種問題は、全く別物と思っています。特定外来生物に指定された途端、一気に扱いが変わるから怖いわ~