「わたしが大切にしている本たち」

 

「良寛」 水上勉
越後生まれ、江戸時代後期の禅僧
(曹洞宗)詩人・歌人・書家として
も有名。

山登りなら、三合目あたりか。彼
に近づこうとしても、途方に暮れ
そうになる。

出家とは何か。仏道修行の世界に
なぜ入ったのか。成仏とは何か。
色んなことを考えさせられる。

わたしが、生きることに方向性を
見失った時に、出逢った人。

 

 



子供たちと手毬をついて遊ぶ良寛
さんで、第一級の書と歌のひと。

有名な「天上大風」や「いろは」
という書は、極みだ。歌人として
の作品は、血が滲む修行のなかか
ら生み出されたものだろう。

晩年、彼が暮らす五合庵にひとり
の尼が付き添いをした。

「生き死にのさかひはなれて住む
身にもさらぬ別れのあるぞかなし
き」(貞心尼)

「うらをみせおもてをみせて散る
もみじ」(良寛) 貞心尼が書きと
どめた末期の一句

良寛 74歳・貞心尼 34歳。

「淡雪の中に立ちたる三千大千世
界またその中にあわ雪ぞ降る」
(良寛)

はるかに遠いが、大愚良寛に近づ
きたい。彼こそ、永遠の<童子>
だったのかもしれない。